周藤 蓮
KADOKAWA (2018-06-09)
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賭博師は祈らない 4巻 感想です。
物語の舞台は再び帝都。
そして今回の敵は帝都の裏社会のボスのような存在「
ジョナサン・ワイルド・ジュニア」という若い女。
ラザルスの前に立ちはだかる敵もだんだん大きくなってきたし、こいつに勝ってしまったら信条に反することになるだろうという相手だった。
ジョナサンは犯罪組織の元締めのような人物ながら表の世界の警察組織の端掛けのような組織の要人にもつこうとしていた。そんな治安な悪い都市に反対するのは正義の警察組織を目指す「
ルロイ」という男。
ルロイはラザルスにリーラの故郷への船便のチケットを無償で提供するという恩を着せることで、ジョナサンの邪魔をしろと半ば強引に協力を押し迫ったのだった。
そしてラザルスの直接の対決相手はジョナサンではなく、ジョナサンの店の用心棒でかつての恋人であるフランセスであった。再登場だね。
対決は悪くない雰囲気で進むが、勝負のタイミングでフランセスは自分の身柄を掛け金に大勝負に出てきた。ラザルスは必ず勝てるという手札ではあったが、そのことに動揺して勝負を降りそのまま敗北。
リーラと出会って優しくなったラザルスが弱くなったと感じるシーンだった。ラザルスはお人好しというイメージの方が今や強い。
そして逃げるために養父の形見の金貨を失い、家も敵であるジョナサンに燃やされルロイからも切り捨てられリーラを逃がすことに成功した以外全てを失ってしまった。
ここから逆転の目はないだろうと思えるような状況で、よくあのハッピーエンドを迎えれたなと思ったw
全てを失ってもまだラザルスの味方でいてくれる人物が何人も居たのは胸が熱くなるシーンだった。
意外なところからお金を調達して再び立ち上がったラザルスとフランセスのリベンジマッチはこれまでの対決とは違った余裕のようなものを感じ、一皮むけたようだった。
再び自らを掛け金にして勝負してきたフランセス相手にも悠然と対処し、敗北して奴隷に身を落としたフランセスを合法的に救う裏技まで用意していてひたすら強かった。
浮浪者以下の最底辺からこんな大逆転劇を演じてみせてとても面白い対決だった。
次回はジョナサン本人との対決のようだった。そして完結らしい。
たった5巻で終わりとは作者の意志とは言え寂しく思う。コミカライズはしてるけどアニメ化も難しいかな。リーラは可愛いが喋れないという欠点と主人公がおっさんというのもあるし。
この作者の文章力は高いし次回作もつまらないものにはならないだろう。
まあその前に最終巻に期待だ。リーラの選ぶ道や信条を捨てたラザルスはどうなるのかw
個人的な評価★★★★☆
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