原案:Magica Quartet 漫画:ハノカゲ
芳文社 (2016-06-11)
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魔法少女まどか☆マギカ[魔獣編] 2巻 感想です。
TVシリーズと劇場版の叛逆の物語を繋ぐ物語の第2巻。
今回は、まどかによって再編された世界におけるほむらの状態や、魔獣たちの目的など細かい設定に踏み込む内容でこの作品らしいダークな展開にも発展して「まどか☆マギカ」らしい面白さがあった。
ほむらは前回の大型の魔獣との闘いで魔力を大きく奪われていた。魔法を使って消費するという意味ではなく、総量の最大値を減らされていて、辛うじて変身はできるも武器は具現化できないほど弱体化させられていた。

それに加え、まどかの形見のリボンまで奪われほむらにとってはそれこそが一番の懸念事項だった。
マミさんはほむらがやたら大型魔獣へのリベンジを急ぐのを魔力回復のためと思っていたため、意志の統一はできていなかった。でもこの世界のマミさんは精神的にも強いらしく失敗はしっかり反省しお姉さんキャラとしての教示は保っていた。
ほむらはご存知の通り時間操作魔法の使い手だ。ところがなぜかこの世界に来てからはその魔法が使えず、記憶操作魔法と武器は弓矢になっていた。原因は不明なままだったが、記憶操作と言えば叛逆の物語を思い出すね…

ほむら以外がまどかの記憶を失っているというのも関係あるかも。
この世界ではすでにさやかが円環の理に導かれてしまっているが、いきなり普通にさやかが再登場して驚いた。ちなみにカバー裏にはネタバレがあるから気にする人は本編読む前には注意した方がいい。

再登場したさやかは最初は自然体だったけど、すぐに違和感が現れ病んでいるのではなく普通に嫌なやつになっていった。
その正体は人間に擬態し知能も得た魔獣。ほむらから奪った魔力を元に変異したそうだ。

さやか型の他にも杏子型やマミさんの両親型なども登場し魔法少女たちを苦しめた。しかも時間操作まで使ってくるところは侮れない。
この世界では使えないはずの魔法を使ってきたということは、ほむらには使えない理由があるのかもしれない。
人間型魔獣に襲われるマミさん&ほむらのタッグのバトルはほむらがマスケット銃を使ったり、懐かしの近代兵器を使ったり見せ場のある戦いだった。
そして撃退に成功した要因はなぜかほむらに味方する「まどか型魔獣」のアドバイスのおかげだった。

まどか型魔獣は自分は魔獣だがほむらの味方でまどかのリボンも返却するし、あの大型魔獣を倒してほしいとお願いしてきた。
そして魔獣の目的は地上のために危険である人間の感情を奪うことにあるとも語っていた。
平たく言えば偽まどかに過ぎないまどか型魔獣にほむらは冷静に割り切って対応していて、本物のまどかへの愛はブレないなぁと思った。
とりあえず情報を提供してくれるまどか型魔獣は自宅に匿うことに。まどかを知る人以外にはこの魔獣も普通の魔獣に見えるらしい。
そしてキュウベェの見立てでは内包する呪いの濃度が高く疑問を感じていた。これが魔法少女ならもう円環の理に導かれているらしい。

現状キュウベェだけが知るこの呪いは劇場版へ繋がる何かかもしれない。
ほむらがまどかの姿の魔獣に心が揺れないのはほむらの心が欠けているからだと魔獣は指摘してきた。大型魔獣との戦闘で感情を奪われたのが原因で。
これにはほむらも取り乱し、なんだか雲行きも怪しい展開になってきた。

ここまでほむら視点でフレンドリーなまどか魔獣が描かれていたが、マミさんや杏子から見ればほむらは魔獣に取りつかれている状態。ほむらは魔獣にほぼ篭絡させられているようだった。
魔獣の戯言で心の闇を膨らませていくほむら。この魔獣は魔女みたいだった。
魔獣は、自分を魔法少女から解放してほしいと願うほむらからソウルジェムを没収し、ほむらのボディと一緒にどこかへ消えてしまった。

ほむらの病み具合がレッドゾーンだがあまり事情を知らないマミさんと杏子のみでどこまでやれるのか心配になる展開だった。
個人的な評価★★★★★
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