浅見 よう
講談社 (2016-04-15)
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コミック版 掟上今日子の備忘録 2巻 感想です。
今回は一冊丸々長編を収録。
厄介が出版社に頼まれて今日子さんをある作家の原稿探しゲームに誘うところから物語は始まった。今日子さんはその作家さんの大ファンだったため、大はしゃぎ。

ところがその作家さんはタイミング悪く亡くなってしまい、作家本人だけしか隠し場所を知らない遺作の原稿を今日子さんがヒントを頼りに探すことになった。作家死亡のことを今日を楽しみにしていた今日子さんに隠す厄介はイケメンだった…
さて、このミステリーはヒントのえんぴつを使うかもしれないというヒントが筆記用具としてではなかったりで、秀逸だと感じたが厄介が隠していた作者死亡の事実も今日子さんが見抜いていたのは個人的にもっと感心した。
確かに厄介は過去形で作家のことを語ってたし、ここから原稿を探しながら同時に察するとか今日子さんの洞察力すごい。しかも逆に厄介に気を使って逆に隠そうとしたり大人だ。

続いて今日子さんはこの作家さんが自然死が或いは自殺かの真相を追うこととなった。そのために既刊+遺作全99巻を全て読もうとする行動力がすごかった。記憶が1日しか持たないのに徹夜をしてまでだ。俺なんてラノベを読んでても普通に眠くなるのに。
今日子さんの覚悟がわかるシーンだね。
でも厄介を万が一にも寝ないように起こす役目として臨時に雇ったりもしていた。
着々と小説を読み続け、そして不眠が続き呂律が回らなくなり「な」行がネコっぽくなった今日子さんはCMのCVもあって物語シリーズの羽川を思い出したw にゃを付けると可愛く見える。

だが残念ながらシャワーを浴びている間に寝落ちして、記憶はリセット… ここまでの全ては無駄になるのかと絶望を感じた。

今日子さんの寝落ちにより厄介は身体のメモ書きを全て消し、今日子さんを今回の仕事から解放して上げる選択肢を選んだのだった。もちろん自分の痕跡も全て削除して。

厄介さんここでも紳士的だね。手際も良かったし。今日子さんの記憶が1日しか持たないのがほんと悔やまれる。厄介は応援したい。
厄介は今日子さんの寝室の天井で今日子さんが書いたのではないメッセージを見つけた。

名前と職業が書かれたそれは今日子さんを今日子さんたらしらしめ、探偵をさせていた。今日子さんはこれを書いた人を探しているそうだけど、これを書いた人も探偵をさせているということは探してもらいたいのだろうか。これは気になる…
今日子さんは記憶のリセットと厄介によるキャンセルをされても、機転を利かせ作家の死の真相を突き止めることに成功した。
亡くなった作家さんが作品に込めたメッセージは感動的でよかったわ。ほとんど作者本人しかわからないようなギミックを凝らしていて、ファンでもなかなか気づかない仕様とか小説としてとても素敵。
厄介も今日子さんの脳に忘れられても身体は覚えていたため、報われてよかった…

今回は厄介が頑張った甲斐あって、今日子さんの距離が縮まったのかな。今日子さんの部屋の天井の話も出て来たし、二人とも幸せになって欲しいと思う物語だった。
個人的な評価★★★★★
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