梧桐 柾木
小学館 (2016-01-18)
売り上げランキング: 1,333
市場クロガネは稼ぎたい 10巻 感想です。
今回カバー下がベンジャミン・グレアム氏の賢明なる投資家のパロディで笑えた。カバー下でもネタになっている通り10巻は実在するベンジャミン・グレアムをモデルにしたキャラ「ベン・グレアム」が選挙を引っ掻き回す話。クロガネは空気
キースとの選挙対決は現在ハガネが不利。そこで討論会を開いて逆転の一手にしたいと考えていたがキースも単独ならハガネに劣ると理解しているため拒否していた。
主人公サイドに個々の実力なら劣るけど、それを理解した上で戦略を持って実際今は弱者が強者に勝っているというのが面白い状況。
ハガネはこのままではキースのペースだと、キースの行きつけの部活で待ち伏せをしていてゲリラ討論会をせざるを得ない状況を作り出した。

キースにとってこれは避けたかった状況だが、それでも得意のポーカーで勝負するという切っ掛けを用いることで対等に討論をしたのは敵ながら立派。

この討論会はどちらかと言えばハガネの勝ちだろうか。元役員の二人も再び仲間に加えることができたし、覇我から支援金を受け取ることもできた。
ところが事態は選挙に無関心と思われた学円園第2位の資産家のベン・グレアムがキースを支持すると表明したのだった。

ベンのモデルとなったベンジェミン・グレアム氏はバリュー投資という投資方法で有名な人で、神様みたいな人。かつて投資により世界第2位の大富豪となったバフェット氏もグレアム氏に学んだ経緯を持つ。
そんな人物をモデルとしたキャラクター、しかもキースの政治なら富豪である自分も損するのに支持を表明したからには周りへ与える効果は絶大。今でもバフェット氏がIBMの株を買い増ししたと判明すればニュースになるレベルだし。ちなみに俺はIBM株でマイナス20%の含み損を抱えている…
ハガネは組織票集めを開始し、そのターゲットを学円園で公務員ような仕事をしている委員長たちに定めた。組織票を聞いて最初に思い浮かんだけど宗教法人じゃなくてよかったわ。
その中でも学円委員長のアランを味方につけようとするが、アランはキースと仲良し。そこで投資の妖精と呼ばれるイアラがアランの説得に向かったのだった。
しかしそこに待っていたのは敵になってしまったベン。

ベンがいてもまとも話ができたと思われたが、イアラは最後の最後に自分は蚊帳の外だと悟ってしまった。アランを味方にするにはアランの中で自分がベンより上にいかなくちゃいけない。そう考えたイアラはベンとTVでデイトレ対決をすることになった。

デイトレはベンジャミン・グレアム氏や劇中のイアラが得意とする長期投資とは全くの別物。俺もあまり詳しくないがファンダメンタルよりテクニカルが重視されるギャンブルに近いものだと思う。
今回前哨戦はあったが、どうやって勝つ気でいるんだろうか。
ハガネもハガネで中立の立場の委員長から信用できないと正面から表明されていた…
でもハガネはイアラとベンの対決を見てから意見を聞かせてくれと、組織票の獲得はイアラの双肩にかかっていた。
ベン・グレアムはやっぱりベンジャミン・グレアム氏と被るし、そんな相手と戦うのはハラハラする展開だな。
個人的な評価★★★★☆
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