梧桐 柾木
小学館 (2015-07-17)
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市場クロガネは稼ぎたい 8巻 感想です。
地下生徒会の陰謀によりハガネ会長が不信任となったため、暫定会長に学円学園一の富豪の「
キース・久我山」がなった。
キースは「成果に値する対価」というこれまでの学円の方針を全否定し、新たに「正義に値する救済」を掲げ、ベーシックインカム制度を取り入れたのだった。

これは全生徒に働かなくても毎月8万学円を支給するという、国民全員が生活保護を貰えるような制度。
財源は累進課税で、富豪ほど税金を取られ、学円一の富豪であるキース自らが身を切っていることもあり、これを歓迎する生徒も多かった。
ハガネはすぐにこの制度導入を否定するが、自分が再び生徒会長に立候補することはなかった。
今回は政治と経済の物語だったけど、ベーシックインカムを取り入れ学円のメリットとデメリット両方描かれていて面白かった。
頑張って結果を出してお金を手に入れても大半を税金として持っていかれ、どこかのぐうたらのために使われると考えるとやる気をなくす生徒もいれば、

冒険して失敗しても最低賃金は保障されるからと前向きに新しいことにチャレンジする生徒もいた。

共産主義とか社会主義ってやつだね。がんばっても報われないというのは個人的には士気の低下に繋がりマイナスが大きいと思う。人間楽を覚えたら楽をしてしまう人が大半だ。
実際学円もその傾向が強いようだった。
ハガネが生徒会長になる前に居た部活は活気とやる気に溢れていたが、今や衰退して実力がある生徒までもこのまま頑張らなくてもだらだらしとけば卒業できるからいいやと考えるようになっていた。

この状況を目の当たりにしたハガネは自分がやりたかったことを思い出し、再び生徒会長になるために選挙に立候補してキースと直接対決することに。

こうして資本主義VS共産主義の対決が勃発。この作品、株の話もそうだったけど、初等的な政治経済の勉強にもってこいだな。
さて次は選挙の話かな。民意というものが試されることだろう。
個人的な評価★★★★☆
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