ムサヲ
講談社 (2015-06-09)
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恋と嘘 2巻 感想です。
超少子化対策のため政府がDNAを始め様々な観点からベストと判断してカップリングされた主人公の由佳吏とヒロインの莉々奈。
しかし由佳吏には子供の頃からずっと好きだったもう一人のヒロイン美咲がいて、その美咲も実は由佳吏のことが好きだった。さらに、莉々奈は将来の結婚相手でありながらこの二人の仲を応援するスタンスを取り、一見全てが上手く行っているように見える関係だが、そうは問屋が降ろさない2巻だった。
政府のシステムによりカップリングされたカップルの相性は絶対だと説明され、主人公たちがどう言おうと、二人の関係はすでにまるで夫婦のように息ぴったりだった。

そんな関係を見せつけながらも、美咲と日課でキスをしたりちぐはぐな感じがじれったい気持ちにさせられた。

口では美咲なのに、どちらが恋人っぽいかと言えば莉々奈の方で複雑。
今回、主人公にヒロイン二人、そして友人の仁坂を加え四人でキャンプに出かけた。
仁坂はただの友人ポジションではなく、いいやつだけど、何かを隠しているらしくそれが表に出た時がどうなるのか気になるキャラだった。
キャンプでは足を怪我した水着姿の莉々奈を由佳吏がお姫様だっこで運ぶというシチュエーションがあったが、際どい場所をしっかりと抱えられたため、恥ずかしかったらしく悶える姿が可愛かった。こういう場面を見ているとやはり恋人っぽい。

夜の肝試しでは美咲と由佳吏ペアがちょっとした丘から転落して、美咲はいい感じに服がはだけて、由佳吏はその上に覆いかぶさる形になってしまった。
暗がりなのをいいことに、由佳吏がではなく美咲が由佳吏を抱きよせていた。

キスもそうだけどこんな行動を取ったりするし、一歩引いた感じがする美咲の最終目標がどこなのかわからん。
莉々奈の方は仁坂から美咲と由佳吏の関係を応援する意味を本当に理解しているかと問い詰められていた。政府通知のカップリングを拒否すると法律違反ではないが、由佳吏の方は素行不良のレッテルが貼られ、進学や就職などの際に不利になるそうだ。

またこの応援が成就したとしても、残された莉々奈に幸せは訪れるのかという問題もあった。
現状は応援するスタンスだけど、そうでなくなるのも時間の問題な気がしてくる展開だった。
キャンプの最後は四人仲良く手を繋いでほたる観賞をしていたが、やはり今の関係はそう長く続かないようで不穏な空気を漂わせて幕を閉じたのだった。
キャンプの帰り、由佳吏と莉々奈はDQNに絡まれ、由佳吏は莉々奈を庇ってボコボコにされるという胸キュンイベントがあった。

こういうかっこいい主人公の姿を見ちゃうと莉々奈のスタンス変更フラグなんだろうなと思う。
現状の安定した関係が壊れる寸前の軋む音が聞こえてくる、不安要素たっぷりな展開だった。次回は政府のさらなる介入もあるみたいだしこんな危うい状態の中、どうなっちゃうんだろうか。
個人的な評価★★★★☆
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