春場 ねぎ
講談社 (2015-05-15)
売り上げランキング: 685
煉獄のカルマ 3巻 感想です。
幽霊状態でありながらマイクを通して肉声を現世に届けられるようになった誠は、全校生徒の前で父親である校長を呼び出したのだった。
死者の声が響くなんてポルターガイスト甚だしいけど、それはイタズラとして片付けられ、校長は自分の息子がイジメの被害に遭っていたことを把握していなかった。そしてこれまでの自分の息子への接し方を後悔。
ソシャゲの友達だった設定は特に使われることもなく、あっさり解決したなぁという印象。
こうして六人を救った誠は生き返り二度目の人生を歩むことに。

この時点では、ご都合主義だなぁと思っていたけど、この先の結末を見るとそうでもなくて最後までわからない物語だった。
誠が学校に復帰すると、今度は誠が受けたような壮絶なイジメの対象が主犯格だったエリカに移っていた。

この学校は誰かをイジメなければ成立しない学校なんだろうか… それに校長も自分の息子のイジメ被害を皮切りに目を光らせろよな…
誠と同じようにトイレに連行されて、強制的にさせられて、その様子をきっと撮影もされて、やっとエリカは自分の罪を理解したのだった。

でもまったく同情しないねw 自業自得という言葉が最も合っている。
不和は今回も屑だった。誠へのイジメの罪を全てエリカに押しつけて自分は悲劇の主人公気取りw
どうしたらここまでのクズが生まれてくるのだろうか。間違いなくサイコパス。
イジメられているエリカを救済したのは誠だった。まぁベタな展開ではある。
しかし不和はまたもやスマホトラップに引っ掛かり、イジメの証拠である発言を全校生徒に聴かれてしまいやっと退学になった。

退学で済まされた分だけ、甘いよな。刑事罰を受けてもおかしくないことしてただろうに。
こうしてハッピーエンドと思われたが、どんでん返しが待っていた。
誠は卒業後、自殺者撲滅のためのボランティアをしていた。そして誠は救った写真家のヒロインを呼び出し当時のことを語り始めたのだった。
エリカがイジメられるように仕向けたのは、証拠写真を持っていたお前じゃないかと…

闇が深くていいねぇ~。憎しみが新たな憎しみを生む負の連鎖と、主人公の活動の不毛さ。そして落ち込んだ主人公が赤信号に気付かず道路に飛び出してしまった所で終わる結末。
救われたはずなのに、救いのないバッドエンド! 終盤あんなに前向きだったのに、最後の最後のこう落としてくるとは感心した。
そして続いては「集団自殺編」がスタート。
今回の主人公は顔は不細工だけど、性格などはとても良い女子高生「
春川たま子」。
たま子の夢はアイドルで、家族の反対を押し切り上京して整形までしてアイドルをオーディションを受けていた。

しかし期日までに結果の連絡が来ず不合格を悟り、久しぶりに実家に帰っても自分の荷物が全て捨てられていてさらに絶望…
こうして自殺することを決意して、集団自殺ツアーに加わったのだった。

しかし七人で自殺したところ、何の偶然かたま子だけ生き残る結果に。
今回は一人生き残り他の六人に自殺を決心させた罪を償う物語のようだ。今回は生きている分自由度があるのかないのか。しかも初対面の人ばかりだから難易度は高そうだ。
またとことん不快なクズキャラの登場と闇の深い展開を期待する!
個人的な評価★★★★☆
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