煉獄のカルマ 1巻 感想です。
色んな意味で過激な描写が多いから人を選ぶ作品だった。過去にトラウマがある人や胸糞悪い展開が好みでない人は注意が必要。
主人公の「
七瀬誠」は父親からは暴力を振るわれで、学校では壮絶なイジメのターゲットにされていた。
誠はトイレに連れ込まれカッターで自傷行為に見えるような切り傷を付けられた上に、恥ずかしい姿を撮影されたり、イジメの主犯たちのやり方があまりにも陰湿だった。

また自殺防止のために、イジメの主犯の彼女が誠にちょっとした心の支えを与えるという用意周到さ。
しかし、その天使だと思っていたクラスメイトの女の子が、イジメの主犯と校内でヨロシクやりながら自分を馬鹿にしている所を目撃してしまったためそれも消失。

これで踏ん切りを付き、誠は屋上から飛び降りて本当に自殺。

飛び降りて地面に衝突した後の絵まで描かれていたから、イジメ描写を含め心に重くのしかかる導入部だった…
しかし死亡したはずの誠は天国にも地獄にも行けず現世との間にある煉獄にやってきていた。簡単に言えば、現世での幽霊のような存在になっていた。
そこに居た謎の女の話によれば、自殺をするとその周りの6人を不幸にするという話があって、誠はその6人の不幸を解決するまで自殺翌日の午後4時から5時までの1時間を無限ループすることになってしまった。
自殺なんてあったのに平常運営の学校というのはどうかと思うが、細かいことはまぁいいか…
誠の自殺で不幸な運命を背負おうことになってしまったのは、
写真部の少女、クラスメートの少女、近所の子供、自宅横にやってくる取立人、こっそり可愛がってる裏山の野良犬、SNSの友達。
ここに父親が含まれていないところが、とても悲しいね…
イジメの対象の誠が死亡したことで、イジメの対象は他の人に移っていた。それが写真部の少女とクラスメート。
DQNビッチさんちょっと前まで仲良くしていたクラスメートが誠の自殺に責任を感じているのを見て、この仕打ち。昇進正面のクズだ。

その誠の自殺シーン及び、このイジメを目撃した写真部の少女もビッチさんに目を付けられイジメの対象に。
身動き取れない状態にして竹刀で股間を責める悪の女王のようなイジメだった。

しかもこの後、写真部少女は誠の自殺について考えていてトラックに跳ねられ志半ばにして事故死という最悪の不幸が訪れた…
誠が自殺してもまったく悪びれないこのビッチがひたすらムカつくシーンだった。イジメで苦しむ生前の誠に向けた天使の笑顔に騙された自分がとても悔しい展開。
こうして一周目では6人どころか一人も救えず終了。
そして二周目に突入!
幽霊としてできることを駆使してビッチさんを返り討ちにする展開で少しスカッとした。
ビッチさんのイジメシーンを写真部少女が撮影に成功。ビッチさんは人生に絶望していたがざまぁ見ろだったw
でも昨今のニュースを見る限りでは、教育委員会はこんな徹底的な写真を見ても、じゃれているだけとか、後ろ姿だから犯人がビッチさんとは断定できないとか、合成だとか言ってきそう… 反撃が直接的じゃない分、100%すっきりはしない。
でも写真部少女とクラスメートが仲良くなったから救えたと言えば救えたのだった。

裏山の犬は誠が死亡したことで、イジメグループの標的にされていた。DQNは何でも標的にしやがるし、こんな動物を虐待して殺そうとするとは腸が煮えくりかえる! この犬も忠犬で誠の無念を晴らそうとするから余計に可愛そうだ。
誠は幽霊の不思議な力でDQNの攻撃から犬を守った。現世に干渉できる分幽霊でも痛みを受け怪我もするという設定だった。

この後DQNは保健所の人に警察までドナドナされ一安心w
動物物の感動エピソードはいいね。
だがこの時点で3ループ目。ループする度に辛い目に遭う6人が気の毒すぎる。それを何度も見ている誠も堪えることだろう。
使える時間は単純計算で一人頭10分。移動で時間を使ってしまいそうだ。あるいは、1回救ってしまえば次の60分ではその人を除外できるのか?詳細はもっと説明が欲しい。
さて、誠の自殺がどう残りの三人の不幸に関わってくるのか気になる所。そして短い制限時間でどうやって6人もの人を救うのか誠の死後の活躍が楽しみな物語だった。
あとサブタイトルが「高校生編」とあるから、物語はオムバス形式で進むのかな?
個人的な評価★★★★☆
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