Cuvie(キュービー)
秋田書店 (2014-12-19)
絢爛たるグランドセーヌ 3巻 感想です。
引き続きコンクールの話で、奏の踊りは技術とは別問題で人に笑われるような奇抜な解釈の踊りだった。
うまい人の踊りを真似することは悪いことではないいが、奏の場合はその真似の方法が間違っていたらしい。

でも決選には進めて、さくらを負かすチャンスはまだ失っていなかった。奏は真似じゃ本物には勝てないことを学び、次の作戦を考え始めた。
四六時中タブレット端末等で何かしらの動画を見ていると思ったら、いざ実行した作戦はやっぱり人の真似w ただし今回はさくらよりはるかに上手いプロのダンサーの踊りをコピー。

このまま奏はコピーキャラになってしまうんだろうかと心配になってくる展開だ。コピーキャラは主人公のライバルポジションに多いんだけどな。
そして勝負の結果、奏では総合5位に入賞!まぁまぁな結果じゃないか。今回の勝負の相手のさくらは2位で、1位はなんと翔子だった!

奏はさくらに敗北したとは言え、短時間で飛躍的に実力を上げ、そのことにさくらは焦りを感じていた。傲慢だったさくらが子供らしく泣いたりしていて、少し身近なキャラになった気がする。
敗北は敗北で、奏は約束通り「楽しく踊ろうクラス」に行くことにした。でも体験レッスンで1日だけというなんかずるい!
当初無駄な時間と思われたこのクラスでのレッスンだったが、現在コピーで妥協している奏にとっては得るものがあるレッスンであった。
コンクールの踊りで恋をまだ知らないからと言い訳していたけど、経験しなきゃ踊れないなら一生踊れないという先生の言葉は核心を突いていていいセリフだった。

そりゃそんなこと言っていたらファンタジー作品なんて踊れないわなw コピー路線では先がないとちゃんと理解していた奏は、手始めに経験したことがあるものをオリジナルな踊りで表現することにした。
先生にも一定の評価を貰い、どうやら次のステップに進めそうな雰囲気だった。
2位に甘んじ、格下だと思っていた相手の成長を見たさくらもこの間何もしていないわけではなかった。母以外のコーチのレッスンも受け視野を広げていた。
今回のコンクールは慢心に足を救われた結果なのかな。奏のことも親しく「カナ」と呼ぶようになり、ちゃんとライバルとして意識し始めたようだだった。

コンクールを通して、短時間で主人公もライバルも大きく成長し、冒頭と巻末とでは別人に見えるほど、見ごたえのある物語だった。
個人的な評価★★★★☆
- 関連記事
-
下のランキングのバナーを押してくれたら励みになります!
