設楽 圭吾
KADOKAWA/メディアファクトリー (2014-06-23)
エグそうなタイトルとあらすじの作品だなぁと思っていたらやっぱりエグイ内容だった。
クラスメイトたちと仲良く学園祭の準備をした帰り道、妹が入院する病院へお見舞いに行く最中、主人公の「
鼎(かなえ)」は誘拐され拘束されていた。

意図的になのか拘束具が簡単に外れた鼎がアイマスクを外すとそこには同様に拘束された少女たちが大量にいたのだった…

急いで皆の拘束具を取り外すが、中にはすでに死亡している人もいた…
生き残りで唯一見えている出口に向かおうとすると、トラップが発動して床から出てきた無数のトゲが一人の少女を引き裂いて退場…
そんな感じの死と隣り合わせの監獄サイドと、鼎を含め多数の行方不明者を探す警察や友人たちのサイドの同時並行で進む物語だった。

警察や友人たちはわりとさくさくと行方不明者たちの手がかりを見つけて、捜査は順調な滑り出しを見せていて希望は見えたが、それ以上に囚われの身の少女たちの状況が現在進行形で絶望的で、1分1秒が長く感じるとはこのことだろうと思った。
少女たちを拉致監禁した犯人はどうやら少女たちが命の脅かす罠などから必至で逃げて挙句死亡するのを楽しむサイコパスのようだった。

口では生き延びたら帰すと言っているが、本心ではそんな気さらさらないのがサディスティックだ…
狼に少女を追わせたり、ゾンビのように人間性を無くした大男に襲わせたり、まるで狩りを楽しむように人間のやることじゃないようなことを平気でやる胸糞悪い展開だった。

鼎は生き残っているが最初たくさんいた少女たちはどんどん数を減らし、とあるエリアに到達するまでには相当数減っているようだった。
鼎たちが到達したエリアは鼎たちとは別口で拉致された少女たちがいて、臓器売買に利用される予定の子の保管庫だった。そこには鼎の入院中の妹までいた。
このえげつなさはFate/Zeroのキャスター&龍之介を思い出す。魔術が無い分マシだが十分ひどい。
犯人は心が子供のまま大人になった純粋な悪といった感じだろうか。殺し方のアイデアが悪い意味で子供の発想というかなんといか…
幸い直接的なシーンは描かれておらず視覚には優しいが、こういう作品は人を選ぶだろう。
こんなことをして当然恨まれるはずの犯人の一人は堂々と鼎たちの前に姿を現したが、少女たちが太刀打ちできなかった大男を片手でねじ伏せるほどの戦闘力を持っていて反抗も絶望的だった…

囚われた少女たちは、確実に生存者の数を減らしながら逃亡していくばかりでまったく希望が見えなかった。外の警察や仲間たちの活躍に掛けるしかなさそうだが、このペースで犠牲者を出していってはたして間に合うんだろうか。
心臓バクバクなサスペンス物語だった。
フラッパーはこういう猟奇ものが多いな。
個人的な評価★★★★☆
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