平坂読
メディアファクトリー (2012-12-21)
売り上げランキング: 3
今回は短編集ではなく断片集ということで、これまでの時系列のことや登場人物たちの隠されていた設定が小鷹以外の視点で語られた。
コミック版にも収録されていた夜空視点での小鷹との再会の話はこれのコミカライズだったんだね。
星奈の父天馬と小鷹、小鳩の父隼人の学生時代の話はとても重要なエピソードで面白かった。
隼人とアイリは天馬のセッティングした合コンで出会い、その合コンにアイリは眼帯を付けて現れた。病気とか怪我ではなく小鳩と同じく中二病が原因で超笑えたwww

母娘揃って残念だったんだなw アイリは小鳩に性格も似た感じだし可愛かった。
ちなみに表紙はクロニカ学園時代のアイリともっと幼い小鳩。ありえないシーンだけどアイリが死亡しているだけに、無碍にはできない…
アイリと隼人は交際を初めて今に至るけど、合コンをセッティングした天馬と当時クロニカ学園の生徒会長をしていたノエルも過ちを犯していた。
当時の天馬にはきちんと婚約者がいるのに、当時女子高だったクロニカ学園の寮に訪れていけないことをしていた。そして高校生でありながら、やればできるという当然の結果になってしまっていた…
天馬さんは残念なところもあるけど、まともな人だと思っていたのに当時は若かったようだ。
そしてある日、ノエルと天馬の娘は柏崎家にやってきたのだった。名前はステラw
あの家政婦さんは星奈の腹違いの姉であった!初登場時小鷹が勘違いしたのも今なら頷ける。
天馬も隠し子に対してきちんと責任を取ったからまぁいいのかな。スキャンダルではあるだろうけど。
ステラは自分が星奈の姉であることを星奈には伝えていて秘密として共有していた。それなのに星奈は姉に対して家政婦として見ていて生まれながらのお嬢様で性格悪いなと思った…
あと幼星奈の全裸の挿絵もあった。

今回の挿絵は裸率がとても高い。一枚誰得な裸もあったけど、総合的には良かった。はがないのブリキの画集が欲しくなる。
小鳩のクラスメイトの話は小鳩が学内で人気者である理由が語られた。原因になったエピソードはいいとして、小鳩の周りの人間がいいやつで温かな話だった。
そして小鳩に振り向いてもらうために本屋のバイトのお姉さんこと夜空に相談していたのは面白い。
色々なことをして小鳩に振り向いてもらおうとするクラスメイトだが、文化祭で小鳩姫を上映して打ち上げ時、小鳩がクラスではなく隣人部を選んだことはクラスにとって残念だったようだ。小鳩がいつか自分のクラスを大切に思うときは来るのだろうか…
あとこの物語に出てくる小鳩のクラスメイトの中学生共はあまりにもリア充で壁を殴りたくなった。夜空も恥ずかしがるくらいだったし、許せないレベル!
理科視点の話では一人称が「僕」だった。この作品のタイトルは理科のことで、理科が影の主役なのかもしれない。
理科の天才ゆえの孤独とか伊達眼鏡をかけていた理由とかも語られ、ふざけているように見えて色々細かいことを考えているということが本編よりも伝わった。
水着で部活をする回で夜空は全身タイツのような水着と馬のマスクを被っていたが、理科はそれを見て残念な人と感じていた。真面目にあの水着とマスクを着用しようとしているところが痛いのは確かだ。

小鷹視点以外でも夜空に残念な部分はあるんだね…
星奈と小鷹が二人でプールに行く回で星奈はDQNに絡まれていたが、あれはこっそり観察していたステラが小鷹を試すためにけしかけていた。その結果小鷹はステラのお眼鏡にかなったのだった。
ステラは星奈のことをエロゲーばかりして残念だとか、どれだけ小鳩を愛しているかを語ることに気持ち悪いと感じつつも妹として大切に思っていていい人だったけど、最初は傷つけてやりたいと思っていたり、星奈と父を遠ざけたりもしていてまだどこか闇があるようだった。
幸村が性別を男だと思っていた理由も予告通り語られた。
幸村は小学校のときからこれまでずっと性同一性障害と周りから勘違いされ、温かく配慮されてきていたのだった。母も訂正するタイミングを逃しまくりこんなことになっていたw
いやでも、どこかでチャンスは絶対あったろうに。幸村を女手一つで育てたのは立派だけど、この母もやや問題ありだな。
ゲームクリエイターの幸村の母は偶然見かけた小鷹の母であるアイリのをモチーフに眼帯金髪キャラのゲームを作りヒットを飛ばしていたという因果関係のある設定もあった。
今の隣人部はどこかしらで関係があったりして面白い間柄じゃないか。
最後は本編のあの最後の続きで小鷹と理科のバトル後友達になった二人を夜空は見ていた。自分がいるはずポジションに理科やそして肉がいるのはどんな気持ちなんだろうか…
はたして次回夜空は巻き返しなるか…
個人的な評価★★★★★
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正直、既巻の中で一番面白かったです。
親世代の青春話は、泣かせる展開。天馬と隼人の友情、
淡い恋、そして悲しい別れ。
小鳩の性格のルーツは笑えましたが。
理科は株上げましたね。そうですね「僕」は理科だった
んですね。
とはいえ、なんとなく「はがない」も本編としては
終わりが近い感じを受けました。