怪獣自衛隊 3巻: バンチコミックス怪獣自衛隊 3巻 感想です。
海上の豪華客船の前に現れた触手で人間を捕食する巨大怪獣。その魔の手から乗員を救うために駆け付けたのは自衛隊。
過去に轟沈させられ多数の隊員の命も奪った相手にリベンジを果たそうと装備を整え士気も高く出動してきたのが頼もしい!
しかし触手が巻き付く救命艇に閉じ込められた新米自衛官で主人公の「このえ」と民間人でその祖母、そして迷子の少年。この状態では魚雷を撃てば怪獣もろとも救命艇も水没してしまうリスクがあった。
このえと祖母は少年を命懸けで守るからと自衛隊に魚雷を撃つように要請。かつてお国のためにと戦争に行った兄と父の話をした祖母の最後の演説は涙を誘った。
総理も辞任覚悟で魚雷発射を許可!

官僚から救命艇が怪獣の餌食になってからの方が魚雷で3人死亡とならないから印象が良いと悪魔の囁きを受けるが、このえと祖母の勇気を買ったのは前回までの日和見主義の総理と同一人物とは思えなかった!
もう一人の主人公の「大和令和」も許可が出たことでやる気満々で魚雷を発射。

そして怪獣は見事真っ二つ。逃げられるのかと思ったから案外あっさりで拍子抜けだった。でも読み進めるとまだまだ衝撃の展開が待っていた…

魚雷の衝撃では救命艇の3人は無事だったが、このえが海中から助けることができたのは子供だけ…

自分の命より怪獣の駆除と子供の命を優先した祖母が英雄的だった。
尊い犠牲もあったが怪獣も駆除してこれで一件落着…とはならなかった!
岩に擬態して休眠していた怪獣の卵が餌である人間の接近を感知して一斉に孵化!

専門家が擬態するということはこの怪獣さえ捕食される側の可能性があるとか不吉なことを言っていて、人類と怪獣との戦いはまだ始まってさえいないと思わせる展開だった…
幼体ゆえに船の機関銃などで何とか全て駆除することには成功。でもセアカゴケグモでもヒアリでも新型コロナウイルスでも水際対策は非常に難しい… 不吉…
日本では大和やこのえを含めたメンバーで対怪獣の組織が結成されていた。

最後に新たな怪獣の幼体も現れ、人類VS怪獣の新たな戦いが始まろうとしていた。

ということで3巻までは人類VS怪獣の戦いのプロローグだった。人間側も怪獣側も新たな戦いの準備を始めた感がある。
ここまでの物語でも緊迫感のある内容だったのに、怪獣にも人間を欺く知能があることも明かされ相手をする対怪獣に特化した自衛隊組織がどう立ち向かっていくのか一層楽しみになった。
こんな時期だから人類に負けないで欲しいという希望を胸に読みたくなる作品だった。
個人的な評価★★★★☆
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