諫山 創
講談社 (2016-12-09)
売り上げランキング: 2
進撃の巨人 21巻 感想です。
21巻は進撃の巨人の物語史上最大規模の情報開示があって、面白いなんてもんじゃなかった。脳汁があふれ出すくらい待っていたネタバレ。
前半は調査兵団と巨人軍団の戦争のエピローグ。瀕死の重傷を負ったアルミンとエルヴィン。巨人になれる注射は一本だけだから、命を救えるのはどちらか一方。
エレンとミカサはアルミンを支持し、リヴァイやその他はエルヴィンを支持。

最終決定権はリヴァイにあったが、最後の最後でアルミンを助ける選択をしたのは色々感慨深いものがあった。リヴァイとエルヴィンのこれまでの関係性とか、物語の転機に世代交代なのかなぁとか色々感じた。

そしてついにやってきた。エレンの実家の地下室。この伏線回収はほんと1巻以来だっけ?やっとここまで来た。ウォールマリア何気に奪還したけど、そんな大成果さえどうでもよくなるくらい待っていた展開だ。
地下室に隠されていた本にはこの世界の成り立ちや巨人のこと、世界の状況について細かく書かれていた。

同時に写真も添付されていたが、エレンたち壁の中の住人にとって写真は未知の技術でオーバーテクノロジー。

外の世界には飛行船まであり、、エレンの父グリシャはそんな世界からやってきた人物であった。

ここから先は今の世界が出来上がるまでの歴史とグリシャの生い立ちの話。テンション上がる設定の数々で読み終わるまで一瞬に感じた。
簡単にまとめると以下のような感じだった。
グリシャたちの民族の遠いご先祖様「
ユミル・フリッツ」が大地の悪魔と契約して巨人の力を手に入れた。ユミルの死後も魂を九つの巨人に分け「
エルディア帝国」を建国。
この九つの巨人の力が獣とか鎧とか超大型とか女型に該当するっぽい。たぶん。
エルディア帝国は大国であった「
マーレ」を滅ぼし支配し弾圧を始めた。だけどマーレは内部工作でエルディアに挑み、九つの巨人の内の七つを手駒にして下剋上に成功したそうだ。巨人化の薬か何かをゲットして七人分食べたのだろう。
エルディア帝国のフリッツ王は一部の国民と共に「
バラディ島」に逃げてで三重の壁を作って籠城を始めたそうだ。これがエレンたちが住む世界というわけだね。別に巨人がいたから壁を作って籠城したわけではなかったようだ。

そのフリッツ王は今の壁の世界ではレイス家の支配の元、表向きの王様をしていた一族だ。だからたぶんレイス家も一緒に逃げてきたのだろう。九つの巨人の力の内のマーレに奪われなかった二つはきっとフリッツ家とレイス家が持っていたんだと思う。
しかし一部見捨てられたエルディア人は大陸のマーレに取り残され、マーレによって特区にて生きることだけは許されたそうだ。
元エルディア人はまるでエリア11のイレヴンのような扱いだった。グリシャの妹は虐殺され、ここからグリシャは大国マーレへの恨みが募って行っていた。
大人になりマーレの特区で医者の仕事をしていると、マーレを倒そうとするエルディア人のレジスタンスに合流することになった。その中にはダイナ・フリッツという王家の血を引く末裔もいた。マーレが語る歴史も捏造があるらしい。
フリッツによると他の巨人全てを支配して操ることのできる「
始祖の巨人」の力があれば再びマーレを倒すことができるそうだ。
その始祖の力はこのとき壁の中のフリッツ王が持っていて、グリシャたちレジスタンスの目標もエルディア復活のためにそれの奪取となった。
今はその力をエレンが持っているからかなりすごい状況というわけか。
グリシャはダイナと結婚し男子を授かった。その子供こそが「
ジーク」で後の獣の巨人だった。
マーレはバラディ島の資源欲しさに壁を攻める政策をとることとなり、そのためにエルディア人の中から戦士を募集した。人数は七人で巨人の力を継承させるためだった。
壁の中は資源が豊富って設定がここで生きてきたのは面白いと感じた。これはただの都合の良い設定じゃなかったわけだ。
グリシャはこの募集にジークを推薦し、そしてジークにより裏切りを密告されてしまった。ジークは当時子供だったし洗脳されてしまったのかもしれない。
そしてこの世界の罰はバラディ島を永遠彷徨う巨人になる「楽園送り」というものだった。だからあの壁の外の巨人はエルディア人だった。罰として同じ民族同士殺し合いをさせられるなんて、まさしく罰だ。
グリシャとダイナが楽園送りにされ、グリシャのみ人として壁内に保護された話は次回だろう。楽しみだな!!
個人的な評価★★★★★
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