KAKERU
日本文芸社 (2016-10-08)
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お気の毒ですが、冒険の書は魔王のモノになりました。 5巻 感想です。
エルフ編クライマックスと新章突入でいつもに増して救いのない展開だった。
魔王軍に寝返った姫エルフ三姉妹の末っ子のお陰で、魔王の蹂躙は順調に進みエルフ軍は着実の全滅へと近づいて行っていた。
一方的かつ戦死者を晒すような進軍で、人間とは決して相いれない残虐な悪の王であることが再認識できた気がする…
寝返った姫エルフの末っ子は実の姉だろうが躊躇なく手にかけるようになっていた。
ロビンの弓も今や魔王に通じなくなり、魔王軍に入るかここで死ぬか選ばなければならない立場へとなっていた。
ロビンは表ではエルフとの融和を説きながら、本当の目的は使い捨てできる軍隊が欲しかっただけというクズキャラ。
だが腐っても円卓の騎士の一人。最後の最後は魔王の言いなりなんかにならず、自分は唯一愛した姫エルフの長女と共に最期を迎えたのだった。
敗北して戦死はするも最期は美談で飾った。ところがそれすらも蹂躙するのが魔王様で、姫エルフとロビンを材料に新たな魔獣を製作。どの道ロビンには魔王の味方となる選択しかなかったわけだ… まったくもって救いがない。
エルフの住む森は滅び、生き残ったエルフは人間の奴隷になっていた。
自分の眼を抉った人間を人一倍憎んでいた姫エルフの次女もその限りで、あれほど人を憎んでいたのに人間様に全裸で命乞いする姿は見るに堪えなかった。
というわけでただただ魔王軍が強化されただけで、可能な限りのバッドエンドだったと思う…
続いて新章砂漠編。
砂漠の廃城を新たな拠点にした魔王様は、捕らえた女騎士を男子牢に入れて凌辱される姿を見て楽しんでいた。
変らない外道っぷり。
この城を訪ねて来たのは人間の商人「
ペルシャ」
彼女は相手が人間だろうと魔族だろうと商売には関係ないそうだ。
色々ご用命に応えある程度魔王様にも気に入られていたようだったが、そこに新たに現れたのはペルシャの飼い主である商人「アリババ」。
アリババはペルシャの実の弟を魔王のルナス同様ペットの犬のように連れ歩き、ペルシャにも躾けた成果とやらの合言葉で強制的に弟の前で一人慰めをさせるなど、魔王顔負けの非道を働いた。
ペルシャの正体は亡国の姫。国が滅んだ際に亡き国王王妃の借金返済の代理人として弟と共にアリババに回収され幼女のころから娼婦として働かされていた。そして自由になるためのペルシャはずっと商人として働いていた。
人間界もかなり闇が深く、こういうパターンなら魔王様が等しく蹂躙してくれるのもありかなと思ってしまう。なんとなくペルシャも味方になりそうな気がする。
今度の敵は勇者や騎士ではなく大商人。とりあえず円卓の騎士をけしかけていたが、どんな戦い方をするのか期待だな。
個人的な評価★★★★☆
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