梧桐 柾木
小学館 (2016-10-18)
売り上げランキング: 2,508
市場クロガネは稼ぎたい 12巻 感想
クロガネはキース陣営を島外から支援している何者かを探し出すために、自分も島外へ。今回はこの作品初の島外での物語だった。
クロガネは実家の財閥の力を借りるために全権を担う母に相談した。ところが息子に甘い母も経営者としてリターンを求めてきて一筋縄ではいかない相手だった。

母が求めてきたクロガネ自身の成長を実感できる部分ってのはとっさには難しい質問だね。でもクロガネの出した答えに納得するところは息子へ愛を感じる部分だった。
クロガネが島外へ行っている間に覇我は新たな部活動を立ち上げクロガネの部活の邪魔をしてきたけど、これは選挙の次の話になりそうだ。

選挙では協力関係なのに、こういうことをしでかすところは好きだわ。このキャラ。
晩餐会ではキース陣営のシロガネの正体を掴むことができた。市場財閥に匹敵するもう一つの財閥、「帝」の息子がシロガネの正体だった。
ポジションなどなど全てがクロガネと同じというわけだった。

島外での財閥同士の関係は不明だが、財閥の御曹司同士の戦いで卒業後の関係には影響しそう。
島での選挙の支持者集めでは、各陣営お金じゃ動かない保健委員長の勧誘が行われていた。
お金じゃ動かないとはいえ、ウィークポイントはあって各陣営そこを違ったアプローチで攻めていたのは面白かった。

でもここは島外での支援者を抑えることに成功した朝政陣営が勝利。
支援者の正体は元文部科学大臣で学円園のOB。肩書だけ見ればすごそうだけど、これからクライマックスに向けての物語上の雑魚に思える。

続いての委員長の支援要求は美化委員長。だけどこいつは他の委員長とは違って委員長の既得権益で甘い汁を啜る悪党であった。
色々無駄な仕事を増やすことで、人を集めて税金を搾取する。悪い役人の見本のような人物だったw

そんな美化委員長が支援のリターンとして求めてきたのは副会長の椅子。朝政サイドはすぐさま拒否。最大規模の組織票を失うこととなった。
一方のキース陣営はその要求を快諾。大きな組織票を得たことで勝負が五分五分に。
しかもシロガネの手腕により小悪党な美化委員長の排除に成功して、組織票だけを美味しくいただいていた。

副委員長の握っていた委員長の不正の証拠を唆してこっそりリークすることで、上から目線で辞任に追い込むとかやり方が政治的すぎて今回一番の見どころだったw

悪役人はこうして失脚することで罰せられたけど、日本の公務員にはこんなのがいないと信じたい。
そして次回発売の13巻で物語は完結。たぶんクロガネサイドが勝つんだろうが、どうやって勝のか見物。
ここまで政治的経済的な話に徹してきたから、最後は逆に感情論なのかそれとも逆転のメリットを提示するのか期待!
個人的な評価★★★★☆
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