成田良悟
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス (2016-05-10)
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Fate/strange Fake 3巻 感想です。
ストーリーもさることながらシリーズのファンを楽しませる要素も豊富で濃すぎる物語だった。
セイバーのクラスのサーヴァントを欠く偽りの聖杯戦争の目的は、これを生贄に本物の聖杯戦争を実現させることだった。だから同じクラスで複数のサーヴァントがいたわけだ。
前回、ギルガメッシュに襲い掛かってきたアーチャーが王の財宝を防いで焦ったけど、あくまで人が作った道具を否定する宝具があってのものだったから安心した。
今回もギルは絶対王者の風格がある上に、黒幕とは敵対する立場だから活躍が楽しみ。今回ギルはエルキドゥのおかげで上機嫌だから暴言を吐く敵にも寛容らしい。でもそれを知らない黒幕たちが吠え面をかくときに期待だな!
でもわからなかったのは過去の聖杯戦争に参加した記憶がなくなるって設定だ。時間軸に関係ない英霊の座で記憶があると聖杯戦争の結果がわかってしまうからというのはわかるけど、アルトリアって第五次のときに第四次の記憶あったよね?
ギルほどの英霊なら過去の記憶を見通すことができるそうだけど、あのセイバーも特別なんだろうか。それともアルトリアの世界との契約のせいだろうか。
ちなみにアーチャーの正体は第五次でバーサーカーとして召喚されたヘラクレスだった。凶化されていないと、紳士だね。邪悪なマスターは始末しようとしていたし。
だけど今回はマフィア所属のマスター、バズディロット・コーデリオンが令呪三画と冬木の聖杯に入っていた泥を使うことでバーサーカーを神の位から落として神に復讐するアベンジャーのクラスを併せ持つアーチャーにしたのだった。
名前はヘラクレス・オルタでもよさそうだけど、ヘラクレスが人間だったときに名乗っていたアルケイデスというのが今回の真名だそうだ。
だから何気に今回第五次のリベンジマッチになっていたんだねw 当然どちらも記憶にはないが。
この英霊は魔力の消費が激しいが、バズディロットは第五次のキャスターの元マスターが使っていた装置を使って人間を生贄に大量の魔力結晶を準備していた。マフィアらしい手だ。2万5千人くらい犠牲にしてるのは過剰だけど。こういう懐かしい設定が出るのはうれしい。
アヤカ・サジョウのサーヴァントはアーサー王の大ファンのイングランドの王様リチャード。獅子心王という通り名が有名らしい。
宝具は棒状のものなら何でもエクスカリバーにする「永久に遠き勝利の剣(エクスカリバー)」というもの。「騎士は徒手にて死せず」なんてセリフもあったから良かった。ランスロットみたい。
またリチャードが座にいる他の英霊に話しかけOKを貰うことでその英霊のスキルや魔術を行使することも可能だった。これはかなり強いサーヴァントだと思う。
しかしマスターの正体に疑問が残った。エルメロイの弟子の沙条綾香は別の場所にちゃんと存在していて、スノーフィールドにいるこいつは誰なの状態。
フランチェスカが蒼崎橙子に喧嘩を売って何度も殺された話が今回がっつり語られていて面白かったけど、もしかしたら人形か?あるいはアインツベルンが関わっていることも考えるとホムンクルスという可能性もある。謎だなぁ。
セイバー陣営はエルキドゥと接触して同盟を持ちかけた。本来敵同士だけど、人の世を脅かす使途がいるため協力が成り立った。アヤカがキメラのマスターをもふもふしている所は可愛かった。
またこの同盟にはどうやらアサシンの少女も加わっているようだった。
ランサーを召喚しようとしたのは黒幕側が用意した道化であるシグマという記号しか持たない青年。しかし彼は久宇舞弥の息子だった。息子も母同様傭兵として生ききて、中身は空っぽ。聖杯に望む願いは安眠と食事だし。
触媒なしで召喚した場合どんな永来が出てくるか謎だっため道化の役目になった。そして召喚されたのが番人(ウォッチャー)のクラス。これは座にいる英霊の影法師でこちらの世界には一切の干渉ができず、マスターと会話をし街を見張るだけしかできないクラスだった。
ウォッチャーたちはシグマに試練を与えることで生きたままランサーのクラスにすることを望んでいた。現在空っぽのシグマの成長の物語にもなるのかもしれない。なんとなくシグマには最後まで生き残ってほしく思う。
フランチェスカが召喚したキャスター「フランソワ・プレラーティ」はジルをキャスターたらしめたあの本をプレゼントした人物だった。そしてフランチェスカは何度も死から復活して長年生き続けているらしく、フランチェスカ=フランソワ・プレラーティだった。
つまり最初に死亡した自分を召喚したのだった。たしかサーヴァントって同じ英霊を複数呼び出すことも可能だったはずだし、これもありなのかw
真バーサーカーは獅子をモチーフにした機械人形のようで、ニコラ・ステラのライバル、キャスターとしての適性を持つことから「トーマス・エジソン」だね! アプリゲームのFate/Grand Orderのサーヴァントからも参加とか熱いじゃないか。
フラットは優秀な魔術師として今回も冴えていた。ペイルライダーの暗躍をいち早くつかんで行動開始したりしていたし。
そして普段時計姿のジャックが漠然と少女に変身したら水着のような服装の少女に変身したのは良かった。アサシンのジャックとも関係あったのか。本人は不思議がっていたけど、ジャックの正体の可能性の一つがあの少女のジャックなのだろうか。
そして最後はアベンジャーVSジャックの戦いが勃発。ジャックは宝具も使っていたし相手の正体も見破っているようだったし、早く続きが見たいぞ。フラットのマスターとしての優秀さも勝敗に関わりそうだし、冬まで待てない!!
個人的な評価★★★★★
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