鎌池和馬
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス (2014-01-10)
売り上げランキング: 5
今回の登場人物はほぼ上条さんとオティヌスのみ。
前回の幕引き通り世界は滅亡して、何もない真っ黒な空間に存在しているのは壊した張本人である魔神オティヌスと幻想殺しを持つ上条さんだけになってしまった。
そしてバトル勃発。しかしいつものように派手な魔術と上条さんの拳の戦いではなく、オティヌスの上条さんの心を折る戦いだった。地味な戦いだったけど、やってることはこれまでで一番壮大だね。
オティヌスにより新たに作られた「見方」が違う世界は上条さんが世界のヒーローではなく、世界から憎まれる悪の権化として扱われ実の両親や青髪ピアスからも命を狙われるような世界だった。しかも最後は小萌先生に殺されるというかなり精神的に辛い世界。小萌先生が上条さんの敵に回ったシーンは非常にショッキングだった…
他にも上条さんに辛い世界を体験させ心を折ろうとするがなかなかしぶとい上条さん。
みんなの救世主上条さんのポジションに別の知らない誰かが居座っていて、上条さん本人は蚊帳の外という世界もあった。人を助けるのは別に上条さんでなくてもよかったみたいなことを言っていたけど、それでもまだ上条さんはしぶとかった。
上条さんに辛い体験ばかりをさせるのではなく、オティヌスはこれまで不幸を味わってきたキャラたちが幸せに生きる世界も見せたのだった。そこには死亡したキャラも生き、みんなダークサイドに落ちていない。ただしそこに上条さんの存在する場所はない。
辛い経験は突破してきた上条さんだが、北風と太陽の物語のようにこの完璧に幸せな世界には負けてしまった…
そうして選んだ道は主人公らしからぬ自殺… しかも人に迷惑をかける可能性が高いビルからの飛び降りで…
こんな上条さんみたくなかったぞ。正義の塊みたいな奴だから余計効果抜群な世界だったんだろうけどさ…
そんなとき自殺を止めたのはミサカネットワークの『総体』。
この世界ではもちろん妹達全員生きているが、総体は死すらも学習していたためシュレディンガーの猫のように上条さんの元の世界を知っている唯一のキャラクターだった。
いや~、こんな孤独の世界で、敵オティヌス以外で上条さんの現状をわかってくれるやつが登場したことには感動したわ… すごい安心感。
いつも説教する立場の上条さんはこの総体に説教されたのだった。みんなの幸せのために自殺するのではなく、これまでの自分の世界のために自分のわがままを通して戦えと。しかも最後まである事実を隠して上条さんを送りだしたし、『総体』かっこいいわ… アニメでこのシーン見たい/return。上条さん最長のセリフもあったし。
説教で覚悟を決めた上条さんは再び今度は拳の勝負でオティヌスに挑んだのだった。
しかし負けて死亡すること10031回。凄まじい根性でオティヌスのパターンを学習し攻略の糸口を見つけていたのだった。
一方オティヌスはスライムを10031回も狩るような超つまらない作業ゲー状態でその精神は疲弊してしまっていた。さらに止めの上条さんの説教タイム。オティヌスがこんなことをした目的も看破した。
上条さんの説教からの勝ちパターンは安定して面白いが、拳の勝負では敗北。しかしオティヌスの攻略は完了していたw またハーレムが増えやがった。こんな際どい衣装の。
上条さんの説教に心打たれたオティヌスは上条さんの世界を元に戻し舞台は再び『船の墓場』になったのだった。
殺る気満々な美琴やバードウェイ、インデックスたちに対し、オティヌスは槍を失い妖精化の力も安定せず、すでに満身創痍になっていた。オティヌスは死ぬ気満々で、こうなることをわかっていてこの世界のこの時間に戻したそうだ。
それを知った上条さんが取った行動は美琴やインデックスなど世界を敵に回してでもオティヌスを守ることだったw
さすが主人公。次回はこれまでのボスラッシュが待っているそうだ。楽しみでならない…
だがきっと最後は仲直りして終わりだろう。劣化魔神オティヌスまで味方にして上条さん軍団のインフレが止まらない。
ただ今回上条さんがオティヌスの攻略に成功したからいいけど、したり顔で浮いているアレイスターとか何してたんだよ… 上条さんが心折られてしまったらもう何もできなかったじゃん。
ちなみに、この世界にはちゃんと劇場版のオリジナルキャラもいるんだね…
あと今回イラストも良かった… フレンダも生きていてフレメアとアイテムたちと一緒にいるところやステイルや神埼と幸せそうなインデックスなどこんな幸せそうなシーンをみたら心折れるね…
個人的な評価★★★★☆
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