今回は対価というものがキーワードになっているエピソードで副題の通り余接がメインの話だった。
一冊の1/3くらいは暦と月火が仲良く一緒にお風呂に入るいつもの変態的話でニヤニヤしながら馬鹿馬鹿しく読めて楽しかった。今回はアニメ版では~というメタ発言が多かったかなw
しかしその風呂場で暦は自分の姿が鏡に映っていないことに気付いた。まるで吸血鬼のように。
忍に相談するとやっぱり吸血鬼と同じになっていて、月火に砕かれた足の小指も回復していた。さらに詳しい話は忍の勧めで不死身の怪異の専門家である余弦と余接に相談することにした。相談しようと連絡を取る前に臥煙からすでに会う段取りを取りつけていてさすがだった。
余弦と余接に会った暦と忍はすんなりと現状を知ることができた。暦はこれまで散々吸血鬼の力を使い物事を解決してきたため、特に撫子のときは人間である時間より吸血鬼である時間の方が長いという状態が数ヵ月間もあったため暦はまだ人間性の方が高いとはいえ自然と吸血鬼になりかけていた。
吸血鬼は二種類いて、血を吸われて眷属になるタイプと生まれ持って吸血鬼のタイプ。暦は生まれながら吸血鬼になろうとしていた。
これがこれまで散々不死身の吸血鬼になって物事を解決してきた暦の払う対価だった。しかもこの状態から元の人間に戻る方法はないそうだ。一生写真に映らない人生になってしまった暦だが、花物語で免許を取っていたということは写真が撮影できたということだし、なんとかなるのかもね。
忍野メメもこうなることは知っていたんだろうけど、暦がここまで吸血鬼の力を乱用するとは予想していなくて、暦を信用していたから教えなかったようだ。つまり暦の自業自得。
しかしこれ以上吸血鬼を進行させない方法はあって、それはこれ以上吸血鬼の力を使わないことだった。今の暦にとっては簡単なようで難しいことだね…
そしてこのタイミングで火憐と月火と神原が、あの貝木でさえ属している臥煙の派閥に属さないかなりの変わり者の
手折正弦という不死身の怪異専門の専門家に誘拐されてしまった。ターゲットはあくまで暦らしいけど。
しかしこのタイミングの悪さは人為的っぽいという話があった。前回までの八九寺や貝木と撫子の話もそうだけど、やっぱり裏に扇が絡んでいるようだね。今回余接の前に現れたときも余接がラスボスと言っていたくらいだし。
で、今回のラスボスは正弦かと思ったらこいつは案外いいやつだった。正弦も余弦と同じように地面を歩かなかったがそれはどちらも呪いを受けているかららしい。ただのキャラ付けではなかった。これも何かの対価らしいけど一体どういう対価なんだろうか。
余接は死体の憑藻神で、製作に関わったのは学生時代の臥煙と忍野と貝木と余弦と正弦によって作られたそうだが、一体誰の死体だったんだろうか?
正弦は暦と対決し暦を吸血鬼化させる流れは、何者かが作った物語で自分たちはキャストとして踊らされていると気付いていた。あの貝木でさえ利用されているらしい。扇ちゃんぱないな。
だから正弦は暦と戦う道を選ばず、学生時代余弦に所有権を奪われた余接に頼んで自ら殺してもらっていた。暦の目の前で。暦には誰にも利用されない忍野メメを探し出せと言い残して。
忍野メメは世界中探しても見つからないようだしマジで何やってるんだろう。正弦も死ぬ前にもっと色々教えろよ。
しかし暦の前で余接に殺されて最近仲が良くなりつつある暦と余接の関係に溝を開けるというのが黒幕の真のシナリオだったようだ。正弦さん無駄死に…
でも余接はドールとして火憐と月火の部屋でお世話になることになり、溝は開かなかった。みんな無事だったし今回は一応ハッピーエンドなのかな。
次回はいよいよ「終物語 第完話 おうぎダーク」だ。扇の正体が明らかになるのかな。
個人的な評価★★★★★
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