架神 恭介 辰巳 一世 ミサオ
スクウェア・エニックス (2012-09-25)
人に仕えることに慣れてしまった人間は大人になっても同様、逆に子供の頃からリーダーであった人間は大人になってもリーダーであるというモットーの元、クラス内で君主争いするという特別プログラムがある小学校で主人公の
ひろしくんが16世紀のイタリア出身のニコロ・マキャベリが書いた「君主論」という君主のマニュアルのような本を手に入れ君主を目指す物語だった。物語の舞台が小学校というのが非常にシュールで面白かった。

小学校とか中学校とか高校とか大学まで友達同士のグループというものが存在しているのは、きっと誰もが認識している事実だと思う。
そんなクラスの小グループの様々なタイプのリーダーがクラスのリーダーを目指して様々な知略や思惑で争っていた。この小学生同士の君主争いが子供らしいところもあれば、ほんとに小学生かよと思うようなところもあってそのギャップが笑えたw
小学生にとっては運動ができることが最高のステータスだったり、新しいゲームを持ってると英雄扱いだったりそんな懐かしい気分にもなったw
君主争いは、主人公のひろしくんのように人を懐柔したりじわじわと牙を抜いたりして部下を集めるタイプや、ハイエナのように他のグループのもめ事などを利用して集めるタイプや、暴力で支配するタイプなど様々だった。

クラスのアイドル的存在の
りょうこちゃんがハイエナと呼ばれてて笑えたし、実際悪魔のようなことをしてて引いたw

他のグループのリーダーの悪い噂を流して失脚させるとか最悪だよね。
君主たるもの部下の支持を集めなくちゃいけないが、その指示集めも成功例や失敗例が出てきて物語的にも面白いし、途中ある解説も非常に分かりやすく物語性と論評性を良いバランスで兼ね備えていた。
原本は堅そうな新書っぽいけど、例を漫画で描いてくれるとほんと分かりやすいね。
リーダー同士の争いや下剋上も繰り広げられたが、争い方法が近代的ベーゴマだったりして面白かった。

小学生にとって遠足というイベントは前日眠れないほどのイベントだろう。しかしこいつらはグループの地盤を固め、他勢力へ侵攻を図る戦略的なイベントとなっていて小学生の考えることかよと思った。

遠足のおやつまでじっくり考えてるし、バスで他のグループのリーダーたちを酔わせて君主になったりめちゃくちゃなことをしていて、次はどの勢力がどの勢力に対して何をしでかすのかわくわくが止まらなかった。
遠足はそれぞれ作戦を考えているようだが、主人公のひろしくんや、ハイエナのりょうこちゃん、封建諸侯で支配するりょうくんは何をしでかすのか楽しみでならない。あとひろしくんに惚れているようなグループ未所属のかえでの行動も気になる。
君主になるにはどうすればいいか、君主たるものどうあるべきかということをシュールな物語を交えながら解説してくれる、面白くてためになる漫画だったw
個人的な評価★★★★★
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