PEACH-PIT
集英社 (2010-09-17)
雪華綺晶との戦いも大詰め。
元の世界に戻るために舞台の大時計を動かすには、蒼星石と翠星石がそれぞれ持つ庭師の鋏と庭師の如雨露が必要だそうだ。
しかし蒼星石のローザミスティカは水銀燈の中だから、蒼星石と翠星石が同時に存在することはできない。そこで蒼星石は水銀燈に取引を持ちかけた。
水銀燈は蒼星石のローザミスティカを無理やり奪ったため身体になじまず痛みがある。だからこの場限り蒼星石のローザミスティカを貸してくれたら正式に負けを認め痛みを失くしてあげると条件を語った。
こうして水銀燈はその条件を飲み久しぶりに翠星石と蒼星石が揃った!久しぶりにそろったから感動的だ。
しかし翠星石は蒼星石が短命だと知らない。だから翠星石が激しく喜ぶ様を見るのは辛かった…
蒼星石が復活し、翠星石がジュン(大)にツンツンしながらお礼を言うところや蒼星石にほっぺたをつねられるところは和んだ。
そのころ中学生ジュンは雪華綺晶のアジトである第42951世界にある崖の下に真紅の本物のボディを見つけ崖下に降りるために、ラプラス魔の助言で茨を使い手を血だらけにしながら必死に縄を編んでいた。
ラプラスの魔は謎のキャラとして描かれているけど、かなり助けてくれてるよね。案外いいやつなのかも。そして審判とはどういうことなんだろうか。
翠星石と蒼星石が揃った島ジュンは、マスターとして二人に命令し二人の力で全てを元に戻した。雪華綺晶は瀕死のようだった。
迷子になっていた金糸雀がようやく中学生ジュンの元へやってきた。しかし金糸雀の登場で驚いたジュンはせっかく手を痛めて編んだロープを崖下に落としてしまった… 金糸雀ェ…
ところが崖下にはよろよろと飛ぶ雛苺の人工精霊ベリーベルがいた!! 負けてもなお真紅を守り続ける雛苺いいやつだな。
場面は再び舞台。瀕死の雪華綺晶はボディにまだ未練があり蒼星石を茨で捕獲。それを水銀燈が救出。水銀燈のセリフの意味がわからない翠星石を見てるのが心苦しい…
そして蒼星石は自分のものという水銀燈や雪華綺晶に、物申したのは大学生ジュン。自分は蒼星石のマスターで雪華綺晶のマスターじゃない。お前はいらない。蒼星石は自分の物だ!見たいな感じだった。島ジュンはもうヘタレじゃない。
真紅と水銀燈は再び共闘し雪華綺晶を撃退。
そのころ中学生ジュンは雛苺のローザミスティカとベリーベルの力で、真紅の本当のボディを無事回収。回収するときにジュンが落とした茨が役に立って良かった。
雛苺のローザミスティカとベリーベルがずっと真紅のボディを守っていたことにラプラスの魔が泣いて感動していたのは意外だった。
雪華綺晶を撃退するも仮のボディに限界が来た真紅は砕け散ってしまった。頭部パーツだけ残っていてかなり悲惨…
砕けた真紅にショックを受ける島ジュン、そして皆で帰れると思っていた翠星石を嘲るように笑う水銀燈。さすが水銀燈。冷徹だ。
さらに水銀燈は容赦なく蒼星石のローザミスティカの話を持ち出してた。蒼星石もこれは約束ではなく契約だからと諦めている。蒼星石の性格上約束や契約は守るだろうね…
翠星石は水銀燈の羽により身動きが取れなくなっても、涙して蒼星石に訴えかけた。そんな翠星石に蒼星石は一言「ごめんよ…」とだけ言って自らのローザミスティカを水銀燈に差し出した… せっかく復活して一緒に帰れると思ったのに、幸せから不幸へ真っ逆さま。
真紅を失った島ジュンも真紅の頭部を抱えながら目に涙を浮かべていた。砕けたパーツを集めて直そうとするもパーツはさらに崩れ粉末に…
真紅との思い出が走馬灯のように蘇り、自分が選んだこの世界は間違っていたのかと自問しこっちもこっちで絶望していた。
そのとき
「諦めるな!! まだ間に合う!」と中学生ジュンと金糸雀がトランクを抱えて登場!!!タイミングが良すぎる!
その登場に蒼星石や水銀燈も驚いていた。雑に飛ぶベリーベルが希望の光に見える。中学生ジュンを見た翠星石は必死な顔で蒼星石を助けてと叫んだ。翠星石の「ジュン…!」というセリフのときの希望を持った顔がまたなんとも儚げで良い。
中学生ジュンは真紅を救えとトランクを開け真紅の本当のボディと雛苺のローザミスティカと人工精霊ベリーベルを取りだした。
水銀燈は金糸雀から雛苺が自ら真紅にローザミスティカを差し出したことや、真紅のボディを守っていたと聞かされ、蒼星石から無理やりローザミスティカを奪い拒絶されている自分との違いを実感し「これがアリスゲーム」と含みのあるセリフを言っていた。銀様も心変わりの時が来たのかなw
皆が見守る中、真紅のボディにローザミスティカを入れる島ジュン。そして背中のネジを巻く中学生ジュン。巻くのはやはりまいた世界のジュンなんだね…
ネジを島ジュンから中学生ジュンに渡すシーンは、島ジュンの役目は終わったという感じだった。島ジュンはもう一人でもがんばれるだろう。
ネジを巻き真紅が復活したのを見た蒼星石は約束通り水銀燈にローザミスティカを差し出そうとした。しかし水銀燈は考えたいことができたから「今日のところは」見逃してやると言って蒼星石は生き延びた。水銀燈には珍しいデレだw
水銀燈の探し物、おそらくメグに関する何かだと思うけど早く見つかることを祈ろう。
真紅も復活、蒼星石も生き延び、島ジュンとの別れの時が来た。蒼星石はマスターである島ジュンに別れを惜しみさよならのキスをした。蒼星石も可愛いところがある。蒼星石ファンの気持ちが少しわかった。
蒼星石との契約は同一人物である中学生ジュンに託された。真紅も島ジュンと握手し、笑顔を見せてくれた。
真紅たちが元居た世界に戻り、まかなかった世界は無事元に戻った。島ジュンは真紅たちと出会いネガティブ思考が一変しリア充街道に進み始めた。
斉藤さんとも親しくなったり、大学でも爽やかになったり、バイト先でも嫌な店長より偉い上司に認められ社員にならないかと誘われたり、明るい未来を感じさせる展開だった。唯一持っていた真紅のネジはきっと一生の宝物になるだろう。
次からまた中学生ジュンの話になるんだけど、切りがよかったせいか4巻は6話しか収録されていなかった…ショック…
個人的な評価★★★★★
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