支倉 凍砂
アスキーメディアワークス
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11巻は短編2本と中編1本が収録されていました。
まず短編の
狼と黄金色の約束この話はホロとロレンスがまだコルを連れていない2人旅のときの話でちょっと新鮮でした。
前巻登場したピアスキーが移民の仕事をしていましたが、ロレンスたちが訪れた村はそんな村でした。
鈍感なロレンスがホロの気持ちを理解できずそっぽを向かれてしまったりするいつもの流れでほのぼのしました。
子供に見せるホロの優しさや、ロレンスの行商人としての知識の広さも見れて面白かったです。
次の話も短編の
狼と若草色の寄り道行商の旅の途中、寄り道をして草原で昼寝をしようと草原に向かうがなかなかたどり着けないという話でしたが、実質ホロとロレンスの会話オンリーな話でした。
ロレンスは大人ですが、ホロの前では子供のようでした。
最後は中編で
黒狼の揺り籠この話はあの守銭奴エーブの過去を描いたスピンオフ作品でしたが、クソ面白かったです!
駆けだしの商人でまだエーブと名乗らずフルールと名乗り、貴族の甘さの抜けない人を疑うことを知らない娘と言った感じのエーブがどうして今のようになったのかがわかる内容でした。本名ではないエーブという名前の由来も明かされました。この名前の由来が深すぎます。
この中編の登場人物はフルールを含めて5人だけでした。
フルールの使用人の執事ぽいオーラーとメイドぽいベルトラはすごく有能な人で裏切りはないと思って読んでいましたが、商会のハンスと仕事パートナーのミルトンは裏切るのかそうではないのかとハラハラしました。
純粋無垢だったフルールが自分の命すら省みない守銭奴エーブになったからには商売の失敗があると思いましたが、ああなるとは…性悪説という言葉がぴったりでした…
人の醜さがたくさん描かれていました。それを踏まえて最後にフルールがエーブと名乗るところはかっこよかったです。全ての甘さや情を捨てたという感じでした。
「黒い服」がエーブの覚悟を表す伏線になっていたのもほんと驚きました。
次の短編は羊飼いのノーラの話らしいですが、彼女は純粋そうですし心穏やかに読めそうですw
個人的な評価★★★★★
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