菜住 小羽 谷川 流
M.Co.(角川グループパブリッシング)
涼宮ハルヒシリーズの作者谷川流さんが原作を担当したということで買ってみた。
帯にはヤマカンこと山本寛さんが「谷川先生、相当タマッてるんですね……。」とコメントを寄せていた。
本編を読んでみるとたしかにヤマカンさんの言いたいことがわかる気がする。
本編は決して明るい話ではなく。暗くて鬱な話であった。
主人公櫛木宗次は県外の高校に進学し暮らしていたが、家の後継である兄が突然出奔してしまったため本家に帰ってきて地元の高校に転入してきた。
宗次は頭がよく全国模試もいつも10位以内という天才であったが、あまり人付き合いをせず冷めていた。厨二病ではないと思う。
さらに宗次には妹が3人もいた。マンガやラノベなどでこういうパターンはハーレムだけど、心の底からはそう思えないような妹であった。
一応全員ブラコンだが、まず長女の櫛木曜子。彼女はいつも和服で長い黒髪でちょっと不気味だった。しかも宗次の知らない何かをしっているみたいだ。
さらに曜子は全裸で血のつながった兄である宗次に迫ってくるシーンがあった。乳首も描かれていた。
もう一人の妹は荻原咲。咲は宗次の父の妾との子で、生まれた時から宗次の妾になることが決まっていたそうだ。まるで昼ドラのような設定だ…
そのためそういうシーンが二回ほど出て来た。しかし咲は宗次のことが好きだからいいのかな?
咲も曜子同様宗次に隠し事があるようだ。体の関係があるのに教えてくれない。親しい人物の二面性は怖いね。
最後に次女の櫛木波留巳。波留巳は義母の連れ子で宗次とは血がつながっていない。そのためか他の妹のような二面性というか隠し事が今のところない。いつまでも純粋無垢のままでいてほしいものだ。
そしてもう一人重要キャラでたぶんメインヒロインである表紙にも描かれている笹井由香子。
由香子の話がこの物語のスタートであった。
由香子は天候初日の宗次に学校を案内したりした後、宗次に連続殺人事件の話をした。
被害者3人は全員同じ学校の生徒で、成績トップの人や、陸上のエース、生徒会長の秀でた何かを持つ者ばかりであった。
ちなみに生徒会長は由香子の片思いの相手で、それがきっかけで殺人事件の犯人探しを手伝えという話になった。ちなみに由香子は「とある巫女の吸血殺し」特集などを読んでいる男には興味がないそうだw
由香子はあまり乗り気でない宗次と二人で色々調査するが、とりあえず1巻では謎が多すぎる。
宗次は曜子、咲と一緒に事件の被害現場にお花を手向けに向かうが何故か4か所だったり、そもそも妹と事件に関係があるのかないのかも謎だ。ないならなぜお花を手向ける義理があるのだろう。
奔放したとされる兄も登場するがなぜあんなところにいたのだろう。そして「妹はお前同様人殺し」とはどういう意味なんだ?こんなところで終わるとは…
犯人は誰なんだろうね。咲と曜子はミスリード?兄があそこにいる理由は犯人だからとか?超展開で波留巳はないよね…?謎が謎を呼ぶ。
こんな感じでハルヒとはベクトルが違い、暗い雰囲気のミステリーものであった。正直作者が同じとは思えないくらい雰囲気が違った。
2巻は12月10日と具体的な発売日が書かれていた。予告ページの咲や曜子の顔が怖い。
咲が号泣しているコマも描かれていたけど気になるね。あの咲が泣くなんて。
個人的な評価★★★☆☆
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