1話1話の話は独立しているのに、全部読んでみればその話ごとのメインキャラの背景で他の話がちゃんと進行していたり、その話では意味不明だったことも別の話では意味があったり、きちんと繋がっていて読み終わると散りばめられた仕掛けの数々に感心した。途中納得できないところも最後まで読めば納得できたw
個別エピソードでもいつもの喩えるならシュールなドラえもんのような未来の道具と調子に乗る高木さんのコメディが面白かった。
楽しい時間は長く、つまらない時間は短く感じるというのは実際あることだけど、これを人工的に自動で再現する
機械を使った高木さんは学校での勉強などを短くしてエンジョイしていた。

ところが、しばらく使っている内に休憩時間さえ省略されていき、夏休みが終わったと思ったらすぐに冬休みが来てしまい、人生そのものが省略されてしまっていることに遅くも気付いていた。

楽しい時間もつまらない時間もどちらも貴重なものだという教訓じみたエピソードだった。この作品にしては珍しく王道エピソードだったw
この作品の世界では死亡すると電子データとなってパソコン上の天国で過ごすことになるが、高木さんと金やんが登場しない番外編のようなエピソードではこの設定を使って感動系の展開が待っていた。これまた珍しい。
このエピソードの主人公の友人が事故で死亡し天国に行ったけど、死亡した本人は死亡時のことを覚えておらず、主人公が死の真相を調べるととんでもない事実が待っていた。
死の真相は悲惨のひと言に尽きるけど、この物語の救いが主人公と死亡した友人との友情で最後の地球の空を見せるシーンは感動した。

いい話だった。
他はいつものボケと突っ込みのシュールギャグがあったが、車にひかれた不思議な少年を助けた高木さんがその不思議な少年に付きまとわれるエピソードはホラーだった。
最初はちょっと変なところはあったけど純朴そうな雰囲気だったのに、途中から友人の金やんのポジションになろうとしたり、何だか高木さん好きが重くなってきて最後はホラーだった。

だけどこのエピソードも最終的には感動オチかな。ベタさはあったけど好きな展開だった。
次回は1巻丸々大長編だそうだ。どんな仕掛けが入っているのか楽しみだ。
個人的な評価★★★★☆
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