鍋 倉夫
小学館 (2018-09-28)
売り上げランキング: 2,174
リボーンの棋士 1巻 感想です。
藤井七段の活躍でにわかにブームな将棋。少年ジャンプの将棋漫画は残念ながら打ち切りとなってしまったが、新たにビッグコミックスピリッツで将棋漫画が始まった。
将棋のプロ棋士になるには奨励会という養成機関に入会して勝ち進んで、そこで四段に昇段できればプロの資格を得ることができる。
しかし年齢制限があり、26歳の誕生日を迎えるまでに四段になれなければ強制退会となりプロの卵からただの人となってしまう厳しい世界。
この物語の主人公は年齢制限を迎えてプロになる夢が儚く散り29歳でバイト生活を送る好青年「
安住」。人柄も仕事の手際も良いのに正社員として仕事につけていないといのも将棋に人生をかけて敗北した代償。

そんな安住が実は存在するプロになる例外的な手段を狙って再びプロを目指す敗者復活の物語だった。
バイト先で年齢が高い安住は同僚のウェイ勢に影で悪く言われたりしていた。そしてそんなウェイ勢を快く思わない同僚の娘「
森さん」は将棋にハマっていて、偶然安住が元奨励会員であると知ってしまった。
身近にそんな強い人がいたことに驚いた森さんは安住を誘い一緒に「将棋まつり」に出向いたのだった。安住もやはり将棋への熱は冷めておらず人と指せる将棋まつりは渡りに船であった。
この将棋まつりにゲストとしてやってきていたプロ棋士はかつての奨励会時代の安住に引導を渡した天才少年というドラマチックな再会。

かつてと雰囲気の異なる安住にプロとなった天才少年は気づかなかったが、いきなり面白い対局だったw
普通アマチュアの人がプロと対局するときはハンデを貰って戦う。安住はそのハンデと断り対等な条件で対局して何と勝利!多面指しの指導対局というプロ側は集中しにくい状況とは言え快挙にもほどがある。

いきなり展開が熱いし、幸先が良すぎる。
再び火が点いた安住はかつての元奨励会仲間と一緒にアマ竜皇戦に参戦。
初戦の相手はアマ三冠を持つ最強のアマチュア「片桐」。

片桐は安住とは逆の人生で奨励会に入ることを臨んでいたが家族の反対でそれが叶わず、奨励会員に対しては敵対心を持っていてこの大会に臨んでいた。もちろん目指すは例外の規定に則ったプロ入り。

一見咬ませ犬キャラかとも思ったけど、いい性格のキャラだしこれからの展開はわらかないがもう一人の主人公みたいな描かれ方をしても違和感はないと感じた。
勝者はもちろん安住。

片桐アマ名人の絶対に負けないという心理描写と、心理描写は描かれないが表情で語る主人公 安住の対局は将棋がわからなくてもその熱を感じることができるだろう。
一度は挫折した大人が再起して厳しい世界に挑むという、自分も趣味でやってるけどスランプ気味な将棋をがんばろうと思える内容だった。
将棋はいいぞ!
個人的な評価★★★★☆
下のランキングのバナーを押してくれたら励みになります!
