松山 剛
KADOKAWA (2018-05-25)
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君死にたもう流星群 1巻 感想です。
久々に可愛いイラストに釣られて購入した作品w
物語はシュタインズ・ゲートや僕がだけがいない街のような設定でこれらの作品が好きなら楽しく読めることだろう。
西暦2022年に世界中の人工衛星が突然制御不能になり地球に落下してくる事件が発生。幸い落下前に大気圏で燃え尽き地上での被害は出なかったが、唯一の死亡者が本作のヒロインで史上最年少宇宙飛行士の「
天野河星乃」だった。
当日、ISSに滞在していた星乃はそのまま宇宙に投げ出され地球の引力に引っ張られ燃え尽きるという最期を迎えてしまった…
こんなこと偶然発生することはないが、犯人は不明なままこのテロ事件も風化しつつ2025年に主人公の「
平野大地」25歳は無職のまま親の遺産を食い潰す人生を歩んでいた。
カラーページでは高校生キャラが多く描かれていたのにかかわらず、物語は25歳のキャラたちが登場するところから始まり面食らったが時間遡航ものとしてスタート地点と考えれば読んでて納得した。
主人公は高校時代要領がよく優秀な生徒であったが、今は明らかに堕落している。一方でかつてのヤンチャだったと友人たちは医者になったり有名デザイナーになっていたり順風満帆な人生を歩んでいた。
叶わない夢を追いかけるのはコスパが悪いと要領よく諦めた人生を送ってきた結果で、考えさせらるものがあった…
星乃の両親も宇宙飛行士だったが、宇宙での事故で二人とも死亡。幼くして天涯孤独となった星乃は両親の親友であった「
惑井真理亜」に引き取られ彼女の管理するアパートの一室で引きこもり生活を送っていた。
しかし主人公との交流で引きこもりやコミュ障も克服し不断の努力により最年少宇宙飛行士となるまで至ったのだった。
星乃の死後3年後、主人公は真理亜に頼まれ星乃の部屋の遺品整理をしていると、なぜか星乃からメールが届きその指示に従いパソコンを起動するとなんと3年前の星乃と通信が繋がったのだった。星乃は天才少女で時間を超えて通信する機器を完成させていたw
星乃の状況は制御不能になったISSで孤立している状態で落下(死亡)まであと数分という状態。その最後のタイミングで主人公に感謝の気持ちと幸せになってと通信を送ってきたのだった。
ここのシーンまでちょくちょく主人公の夢という形で星乃との出会いから次第に仲良くなっていく過程が描かれていてたからけっこう泣けた…
そして星乃は生身のまま宇宙に投げ出され燃え尽きる間際、主人公に涙ながら「たすけて」と呟いたシーンは非常に胸を打たれた。
通信はそれで切れたが、なんと星乃は部屋に網膜認証を利用したタイムマシンまで用意していた。目的は死んだ両親に会うためであったが、戻れるのは過去に網膜認証をしたタイミングまでで使えないとわかったから主人公が幸せになるために使ってくれと託したのだった。
もちろん主人公はそれを使い星乃と出会う前の2017までタイムリープ。自分のためでなく星乃を救うために使ったのだった。
という感じで25歳の記憶を持ったまま再び高校生活がスタート。
記憶を利用してサブヒロインの事故を防いで歴史を変えたせいで友人の医者ルートがなくなった気がするが、歴史は変えられることは変えられるようだった。
主人公が知ってる8年前には存在しなかった企業と技術があるのが明らかに伏線だから、壮大な物語になりそうで楽しみ。
1巻の段階では再び星乃と仲良くなるところまで。
シュタゲや僕だけ~とは違い、未来の記憶を持っているのは主人公だけでないような感じかな。TVドラマの「君といた未来のために」にも近いかも。
こういう作品では歴史の修復力なんて設定がある場合があるけど、この作品では選択肢を変えれば簡単に歴史が変わってしまうようだった。
間違うことができない主人公の活躍と、似た作品との差別化に期待だ。天才と馬鹿は紙一重な星乃もイラスト同様可愛かった。
個人的な評価★★★★★
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