緋賀 ゆかり
講談社 (2018-12-06)
売り上げランキング: 4,042
恋愛ハーレムゲーム終了のお知らせがくる頃に 3巻 感想です。
「ひぐらしのなく頃に」があまりにも有名な作者が原作を務めるこの作品。さすがの原作力で面白い。
無害だった妄想オタク少年は助けた悪魔の恩返しにより本人の知らないところで、自身の恋人にならなければ地獄に落ちて死亡するという恋愛デスゲームの主人公になっていた。
当然死にたくないヒロインたちは恥辱に耐え、好きでも何でもない主人公を喜ばせるために恋愛シミュレーションゲームの攻略ヒロインのようなふるまいをするのであった…
主人公アスナロ君からの好感度が下がることは死に直結するため、今回はアスナロ提案の二泊三日の旅行に強制参加させられた五人のヒロインたち。
運動部に所属する生徒なら夢の舞台であるインターハイで優勝するために頑張っていたヒロインの一人「ヘザー・東雲」は貴重な練習の時間を大きく奪われ明らかに不快な態度を出していて状況が面白かった。

アスナロはヒロインたちが文字通りの命懸けであることを知らないからヘラヘラとした態度にヘイトが溜まるw
好きでも何でもない男と一緒に混浴とか苦痛以外の何でもないだろうに、悪魔が本当に悪魔だ…

ヘザーはやむを得ず邪魔なアスナロの機嫌を取りながら砂浜で練習をしていると、アスナロの意外な一面を発見していたのは新しい展開。

迷惑なただの軽薄な男というわけではなかったと知ったヒロインたちはこのデスゲーム攻略のために大きな一歩を踏み出した。
ルール違反にならないギリギリの言葉で主人公に現状ヒロインたちが置かれている状況を察してもらう作戦。

主人公ならこのデスゲームを終わらせられるとの狙いで、不幸中の幸い、この主人公鈍感ではなかったから見事察していた!

状況を察して恩返しと騙る悪魔にこのゲームの終了を要求するが、主人公でもこのゲームを止めることはできなかったし、主人公に選ばれなかったヒロインがどうなるかも主人公には教えてもらえなかった。
察したことは主人公を見直した。これからの戦いはヒロインたちの創意工夫以外の要素も入ってくるかも。
アスナロに余計なことを言ったヒロインのセリカは悪魔に厳重注意され、セリカも強気に宣戦布告。

悪魔さん普通に恩返しのフリとか言ってるし、やっぱり新しい局面に突入しそうだ。
怒り心頭な悪魔は旅行イベントの次のイベントを発表。
ここまでのゲームは、全員でボイコットしたり、参加しつつも引き分けを狙ったり、あえて罰則に触れることで勝ち点をヒロインで分けたり、横並びで何とか凌いできた。
だが次のゲームは勝てれば有利になるとかじゃなくて、いきなりゲームクリアの出し抜け可能なものにルール変更。

まるで安いクイズ番組の最終問題でこの問題に答えられれば100万点と言われているようなゲームブレイカーなルール。主人公からの安定した好感度を集めて勝利ではなく、たった一回で勝負が決まるのは悪魔の言う通りもう恩返しの意はないのだろう。
ここまで生存のために全員引き分け作戦を取ってきたが、ここで裏切れば生存が約束される。
一応の抜け道として誰か一人が予め反則を犯し点数を下げた状態で勝てば再び横並びにはなるが、裏切れば命が助かる以上ハイリスク。
そのリスクを背負ったが言い出しっぺのセリカ。そして裏切る気満々で他のヒロインを拉致監禁するヒロインもやつも出てきて波乱の幕開けであった。

セリカの失敗は悪魔に反抗的な態度を取った点だろう。表面上だけでも従順な態度を取っていればマシだったろうに。
ここまで信用のみを頼りに綱渡りのような引き分け戦法を取ってきたヒロインたちが、信用を裏切れば自分だけは助かるよ状況でそれぞれどう活路を見出すか次の展開が待ち遠しい。
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