SBクリエイティブ (2016-11-17)
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29とJK 2巻感想です。
29歳の社畜が勤め先のブラック大企業の社長の15歳の孫娘と業務命令で交際をすることになってしまう禁断の物語第2巻。
とりあえず今回も29歳という年齢にピンポイントで直撃する懐かしネタが懐かしすぎて泣いた。JKやJCにとって仮面ライダー電王でさえ懐かしいって何なのよもう… 555ネタもわかるから面白かった。他にもSOS団とか最近の子は知っているのだろうか。
月曜日のたわわネタやシン・ゴジラ、ブレパンなど新しいネタも豊富でそういった時事ネタも良かった。
さて今回の物語は主人公「鋭二」がコーチという主任のような役職で務める保険会社のコールセンターで顧客情報漏洩があるという内部告発から、真偽を確かめるためにセンター長として新たにやってきたバブル世代の上司「
百目鬼」との対決の物語。
百目鬼という男は意識高い系ではなく意識が高い上司で有能は有能。しかし有能ゆえに並の一般社員やパート従業員たちの気持ちがわからず、隔たりができてしまっていた。
鋭二を自分の派閥に誘ったり出世欲も大きく、意識高い故の問題点はあっても悪い人物には最初は見えなかった。
ところが事件は発生してしまった。渡良瀬へのセクハラと枕営業の強要。
完全に犯罪だから社内で訴えればいいのだが、それをしても権力を持つ百目鬼は極端に罪を軽くしした上に渡良瀬にも大きな不利益を与えることができる状態で実質的に泣き寝入りせざるを得なかった。
ありがちなブラック企業で主人公たちには同情せざるを得なかった。同じ社畜だと主人公のボヤキがよくわかるんだよな。
他にも百目鬼が連れてきた部下が鋭二のスタッフをモラハラレベルで叱責したりただの老害でしかなかった。このときスタッフを助けた鋭二がかっこすぎた… これはJKじゃなくても惚れる。
物語のもう一つの軸である花恋との交際は順調で、鋭二にデレッデレなところが可愛かった。今回は小説新人賞の一次審査突破を目標に頑張ることになった。
いくつかの新人賞にWEBから応募し一般読者からもコメントが付くがほぼすべてが酷評で、どれだけ心無い感想を書かれても鋭二への愛の力で描き続ける姿を見て若さが羨ましくなった。
情報漏洩問題の報告は社長や役員などの前で行われたが、そこで百目鬼の口から犯人として挙げられた人物は鋭二であった。もちろん鋭二がそんなことするわけないから、これは百目鬼から鋭二への嫌がらせ。派閥入りの拒否とセクハラ問題へのけん制を込めて。
百目鬼はきっちり証拠捏造まで行い鋭二はコーチの任まで落とされ追い出し部屋勤務となってしまった。
そんな状況でも心折れず、査問会で逆転する準備をして百目鬼を返り討ちにする展開は熱かった。
特に百目鬼の部下が馬鹿にしていたパート従業員の特殊スキルが活躍したり、現場を見たいと言いながら数字だけしか見ていない百目鬼に対する皮肉のように不真面目社員の数字を使ったり、現場を味方につけている鋭二ならではの最後の一手は痺れたわ。こりゃ部下に慕われて当然だ。俺もこんな上司がいる職場なら仕事がんばれるかも!
鋭二のためにセクハラ問題を使ってがんばった渡良瀬も拍手を送りたい。渡良瀬はでも報われない恋なのが可哀そうなヒロイン。
そしてやり手の百目鬼を退けた鋭二は社長によりセンター長に出世。百目鬼の年齢でセンター長で社長の椅子も狙えると言っていたから、もしかして今後も極悪ブラック上司を倒しながらそうなっていくのか?
今回の百目鬼の問題もどうやら社長の手のひらの上の出来事だったらしく、物語最後の敵として社長と対決するか期待だな。そのときは会社の物語と花恋の物語が交わることだろう。
鋭二は妹に対して自分では厳しくしていると言っているが、甘々にもほどがるところも今回面白かった。
社畜がブラック上司を社会的にやっつける、わかる人には爽快な物語で今後も楽しみでならない内容だった。
個人的な評価★★★★★
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