小畑 健
集英社 (2016-02-04)
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デスノートやバクマン。の作者の新作 プラチナエンド 1巻 感想です。
今回の作風はバクマン。ではなくデスノートよりの物語。デスノートが好きだった人はきっと気に入るだろう。
物語は主人公の「
架橋明日(ミライ)」が幼少期に両親を事故で亡くし、叔父夫婦に引き取られるも奴隷以下の扱いを受け育ち、中学の卒業式の日にビルから飛び降りたところを天使「
ナッセ」に救われるところから始まる。

死神の次は天使ね。しかもさくらTVも存在する世界。
ナッセは明日の不幸な人生をずっと見てきて救いたいを考えていた。天界では次の神を人間から選ぶことになり13羽の天使がそれぞれ次の神候補を選ぶが、ナッセはこのチャンスを生かして明日を神候補として選んだのだった。
ナッセが明日に授けた力は三つ。一つは空を自由に飛ぶことができる天使の翼。これは非常にオーソドックスだね。
二つ目は赤い矢。恋のキューピットという言い回しがあるようにこの赤い矢を撃たれた人間は撃った人間を無条件で33日間好きになってしまうというもの。この33日という微妙な日数とあくまで偽物の好意ってところに邪道さがあって好きな設定だわ。
三つめは白い矢。苦しんでいる人間に安楽死を与える一撃必殺の矢。物騒だけど天使には必要なものらしい。
ナッセは特級天使という身分でこれら三つを人間に与えることができるが、一級や二級になると白い矢や翼はダメだったりするそうだ。
さっきまで自殺しようとしていたし、この力に戸惑う明日はナッセから両親が事故ではなく叔父夫婦に殺されたことを知らされた。叔母に赤い矢を使って無条件好意による自白を聞くとナッセの話は真実。本当に死ぬべきだったのは自分ではなく叔父夫婦だったと悟ったのだった。
怒りをぶちまける明日の訴えにより、叔母は好意から自殺。赤い矢はこんなこともできるのか。というより物語上きっとこういう使い方がメインなんだろう。撃たれてしまうと絶対順守の命令を聞いてしまう矢。恐ろしいぞ。

赤い矢の力でホテルで寝泊まりを始めた明日は叔母の死に魘されていた。月も最初にノートを使ったときはこうなっていたような気がするし、乗り越えるべきものなんだろう。
天使ナッセは明日に叔父とその子供も同様に殺しちゃえばと純粋に明日の幸せを願ってアドバイスしてるけど、暖かい笑顔で怖いな、天使。明日は当然そんなことはせず、赤い矢で自首させるに留まった。

TVには傍らに天使を侍らすお笑い芸人がハーレムを築いているとニュース映像が流れていた。天使は同じ神候補にしか見えることはできないから、TVに映っても問題なし。
この芸人は赤い矢を使って33日限定のハーレムを作るという馬鹿らしい使い方を満喫していた。力を私利私欲に使おうが自由。

一方でナッセと同じ特級天使が付いたある人間はヒーロースーツに身を包み強盗を退治したり治安維持活動をしたりもしていた。ハーレム芸人はこのヒーローに白い矢を撃たれて死亡。
ヒーローは神を目指すために他の残り11日の候補を抹殺する道を選んだのだった。ヒーロー活動も完全に慈善事業ってわけではなさそうな感じ。

メディアに出演し明確に他の候補に殺意を示すヒーローに恐れる明日。ノートの所有者と違いこちらは普通にしていても天使が付いてるから正体がバレてしまう。

明日は天使を置いて高校に通うが高校にいた天使をどうしも凝視してしまいあっさり次なる候補者に正体がバレ、赤い矢を刺されてしまった。

しかも刺した相手は明日がずっと片思いしていた少女だから状況は面白くなりそうだ。
そして次回に続く。
まだまだ物語は動き出していないが、プラチナ面白かった!
天使なんていうプラスのイメージのモチーフをこうも邪道に描けるなんてさすがデスノートの作者。限られた道具とルールで明日がどう他の候補者に対し立ち回っていくのか期待せざるを得ないな!
個人的な評価★★★★★
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