KADOKAWA / 富士見書房 (2015-09-09)
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追憶のアペイロン 1巻 感想です。
人間の記憶、最悪呼吸の方法さえ忘れさせるウイルス性の病気「ブランク病」が蔓延している世界。主人公の
三上楓14歳他3人もこの病気の治療のため国の施設に収容されていた。

この治療方法として有効とされる脳にヘルスチップと呼ばれるマイクロチップを埋め込む方法が世界中で認められ、主人公たちもその治療により次第に記憶を取り戻していき、一時帰宅が許されるまでに回復したのだった。
ところがその一時帰宅の当日、「
坂上」という男の襲撃により4人はまんまと治療施設の職員から分断されてしまった。

だが坂上が言うにはこのままだと4人は処分されていたとのこと。そして楓に謎のぬいぐるみを渡し、去っていった。
そしてここから色々明らかにされていった。戻ったはずの楓の記憶の中にあるはずの自宅は空き地だったり、捕まえるためにやってきた施設職員は平気で発砲してきて早くも仲間を一人失うし、坂上の言っていたことは真実だった。
託されたぬいぐるみは意志を持ったお助けキャラで、記憶や技術を直接人に貸し出したり、コンピュータをハッキングする技術まで備わっていた。格闘技術や運転技術などをインストールするとか映画マトリックスみたい。

またウイルスもヘルスチップを広めるために人工的に作られたウイルスで、組織はヘルスチップにより人間を支配する計画を企んでいた。

いきなり色々なことを聞かされ、命も狙われ、自信の記憶も改竄され不安がいっぱいの3人は敵の拠点の一つに潜入して自分たちの本当の記憶を取り戻す作戦に取り掛かった。
ぬいぐるみのサポートにより敵さんを出し抜いたかのように見えたが、敵もそこまで無能ではなくしっかりお出迎えしてくれた。ヘルスチップでコントロールされている動物(熊)が襲い掛かってきた。
動物を自由に支配できるということはいずれ人間も支配可能ということなんだろうね。なんとか熊から逃げてたどり着いた場所は自分たちのコピーがカプセルに入った部屋。

記憶がねつ造されいたり、坂上がわざわざ助けたりする当たり普通の子供たちというわけではないのかな。
本格的に物語が動くまでにもうちょっと説明が続きそうだが、自身のアイデンティティにも関わる記憶を題材として不安を煽る内容のSFサスペンスものとして面白かった。
個人的な評価★★★★☆
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