七六
KADOKAWA/富士見書房 (2015-02-06)
魔法少女ここねはかく語りき 1巻 感想です。
帯コメントはガルパンの秋山殿。90式戦車に反応を示してどこにでも現れるねw
魔法少女×変形メカ×サバイバルバトル、それぞれの要素単体で物語が一つできそうな設定が複数ミックスしたハイブリッドな作品だった。
これらの要素の美味しいところを活かし、なおかつ昨今人気を博すシリアス魔法少女ものっぽさもあって面白かった。可愛い魔法少女と変形するゴツイ戦車の武骨な組み合わせがいい味を出しているw
物語は関東地方が、突如現れた魔法の素養を持つ存在の力の暴走で消滅した世界が舞台。

それゆえに魔法使いは一度魔法の使用を目撃されれば、何も悪いことをしていなくても軍が戦車や武装ヘリを出撃させ全力で潰しにやってくる生きる災害のような扱いを受けていた。
少し抜けているところもあるが前向きな主人公の「
瑠々色ここね」はある日偶然自衛隊から逃げる魔法少女「
星夏憐」に遭遇。星はここねが同じく魔法少女の素質を持つことを見抜き、逃亡しながらも軍に見つかる前に保護。
しかし力及ばず、魔法少女になるためのデバイス「
グリモア」をここねに譲渡し、自身は軍に確保されてしまった。

自我を持つデバイス「グリモア」はここねを新たな所有者と認め、ここねは魔法少女に変身。

変身シーンもお決まりな感じでいいねw
魔法少女の姿も可愛い。

魔法少女の固有の力は所有するグリモアに依存し、ここねのグリモアの場合は無機物に知性を与え使役する能力。そして知性を得た無機物は自ら思考するに適した姿に変形する能力を持っていた。
ここねが知性化させた対象は敵の戦車!その戦車がトランスフォームして人型のロボットになった。見た目も武骨で重厚感があり渋い。ガルガンティアのチェインバーのように会話もできて色んな意味で面白い存在だった。

戦闘は今回お披露目程度で物足りなかったのが残念。
この力で無事逃亡に成功したここねだったが、もう日常には戻れなかった。
グリモアとは元々純粋科学の機械装置「
グリモワール」の構成部品の一つで、初動実験の爆発事故でそれが散り散りとなり、今では魔法少女変身アイテムとして存在しているそうだ。
また、会話できるグリモアはここねの物だけらしい。

この機械装置が物語のキーとなるんだろう。ていうか最初の関東爆発がこの爆発と同一とかじゃないのかな。
そんな事情で魔法少女は敵も味方も複数存在し、それぞれが持っているグリモアも狙われていた。
味方の魔法少女はここねが所属する文芸部の部長で、物体の硬度を自由に変化させる能力を持っていた。

中二異能バトルものっぽくて好きだわ。
敵対魔法少女を倒してグリモアの所有権を得たら複数の魔法が行使可能となるんだろう。これからグリモア複数持ちの魔法少女も出てくるのかな。
二人は共通の知り合いである星を助けるために行動を開始したが、グリモアを狙う敵魔法少女も出現。

魔法少女同士のバトルはどんなものになるのか期待しておこう。
魔法少女と戦車型ロボットという異色の組み合わせが大変面白い作品だった。
ちなみに作者近影のロードバイク、いいのに乗ってるね。劇中でここねが乗っている自転車も普通の自転車じゃなくて作者の趣味を感じるw
個人的な評価★★★★☆
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