優
KADOKAWA/角川書店 (2014-10-03)
田舎の孤島に住む中学生三年生の「
双海朔」は日本が戦争中にも関わらず毎日変わらない平和な日常を送っていた。
そんなある日、担任教師は毎週金曜日の五時間目に指名された人は戦場に出征してもらうと発表した。

敵は本土にまで上陸し、中学生までも出征しなければならないほど日本は追い詰められている世界感のようだった。

ただしその戦っている敵がどこの誰なのか周りは誰も知らない。相手が人間であるかも不明。
そんな平和と戦争が隣合わせの世界で懸命に生きる中学生たちの物語。
最初に出征を命じられたのはトーキョーから疎開してやってきた「
篠川零奈」。

せっかく逃げてきたのに災難すぎる。それに毎週誰かが選ばれてしまう恐怖。もちろん生きて帰れる保証も無く、多くの人は自分じゃないことを祈ってしまうだろう。
出征する人は日選ばれるわけではなく何日か前に言われていたが、当日までの心境とか絶望的な気持ちだろうね。当日送り出す方も送り出す方だ。必ず帰ってきてと手を振りながらももしものことを考えるに違いない。

零奈のような女子中学生が配属された場所はさすがに第一線ではなかったが、敵は補給班でも生存が厳しそうな地球外生命体のようだった…
知恵の輪のような使徒みたいな感じ…

そして無事生きて帰ってきた零奈が食べる食事がすごくうまそうだった!生きてるんだってのが全面に出ているシーンだった。

朔と幼なじみの女の子は出征には選ばれることはないと教師から言われていたが、それは何故なんだろうか。そして敵の正体も謎のまま。あと喋るぬいぐるみはきっと敵側の何かだな…
中学生たちは非日常の世界に追いやられながらもいつかまた平和になると信じていたが、この戦争は全滅戦争らしい。これから先の展開、戦死者も出てしまうんだろうか…
戦争と死の恐怖、そして生きてることの素晴らしさを教えてくれる作品だった。
個人的な評価★★★★★
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