ライトノベルが原作で、最近YJにてデスノートやバクマンでお馴染みの小畑健がコミカライズ。さらにハリウッドで実写映画化という大出世をした作品。今回発売された1、2巻で完結。
人類は「
ギタイ」と呼ばれる謎の化物に侵略され、生存権を掛けた戦争を繰り広げていた。
主人公の「
キリヤ・ケイジ」はそのギタイと戦う兵士の一人。
ある日ケイジは戦場でギタイと戦い無残に戦死をした。ところが次の瞬間目が覚めるとそこは戦い前日の朝だった。そして死亡する度に時間が巻き戻りループしていると気付いたのだった。

ループものの作品ではあるが、敵側が人類をより効率良く侵略するために時間をループさせているというのが珍しいと思った。ただでさえ人類非力なのに、さらにゲームをリセットするかのように繰り返し侵略しやり直すギタイのチート性能に絶望感を感じるわ。

1回目の世界の戦場で死を前にしてケイジが出会ったのはものすごい戦果を挙げている「
リタ・ヴラタスキ」。

敵側のループに巻き込まれてしまったケイジはこれを利用して憧れの戦士リタのようになりたいと繰り返し経験を積みいつかリタに並ぶ兵士へと成長していった。

何度も原型をとどめないようなグロい死を経験しながらループを繰り返して学習し、より多くの敵を倒すために武器までも工夫して戦う成長過程が面白かった。そしてトライ&エラーをしているうちに精神も他の兵士とはずれてきているところもあって、主人公の修羅っぷりも見所だった。生き残るための強い執念を感じた。
そして超強いリタもケイジと同じようにループというものを経験しここまで強くなったことがわかり、二人は同じ境遇同士意気投合したのだったw

ケイジと分り合ってから、リタが見せる乙女の部分がそれまでのヴァルキリーのような凛々しさから想像もつかない姿でキュンとしたw 梅干しの大食い対決とか味は酸っぱいのに、激甘な空間だった。

こうして二人は共に戦場に赴き、ループを終わらせるためにリタがつきとめたループを発動させているギタイの撃破に挑んだのだった。
ところがここぞという所でリタ突然の裏切り、ケイジを攻撃してきた。その理由は敵のループに巻き込まれた影響でループのバックアップとなってしまっているリタとケイジはどちらか一方しかループを抜け出せない運命にあったからだった…

ケイジは死ぬことに慣れ全力で戦いその結果リタに負けてもいいと思っていた。そしてリタもそう思ってるに違いないと。だけどリタの考えは自分が死ぬことだった…
ループという自分にだけしかわからない苦しみを理解してくれる対等な相手とやっと出会い意気投合して、ループの先輩として親心のようなものもあったんじゃないだろうか。
2巻という短い枠なのに密度の濃いヒューマンドラマと成長が描かれた作品だった。
個人的な評価★★★★★
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