聲の形 7巻 感想です。
意識を取り戻した将也は病院を抜け出し、無我夢中でいつもの橋に硝子に逢えると信じて向かった。
そこの本当に硝子がいたのはご都合主義を感じないこともないが、あんな体験をしてからのこの再会はドラマチックで、将也も一皮むけたように感じた。

退院した将也は文化祭で自主製作映画を鑑賞し、映画作りの仲間たちとも再会。

この映画もしっかりした作りで、映画作りはちゃんと協力しあって行われたんだなと感じさせるものだった。
文化祭ではメインキャラ以外も顔の×印が取れ、やっと物語が明るくなったと思った。

映画のコンクールは酷評だったが、それでも仲間たちと高校生の文化祭らしくお祭り騒ぎをしていたのは前向きでいいと思うw
そして物語は高校卒業後の進路の話に。デザイナーで認められたり、結弦も写真が賞を取ったり、優秀なメンバーが集まってたんだなw 真柴もダークサイドから抜けだしていたしw
硝子は理容師になるために単身東京へ行くことを決意。結弦も不登校を卒業して学業に専念し始めた。

硝子は今の理解ある環境から危険の多い東京へ行ったわけだが、また心ないことをされたりするんだろうなと思う。だけど大丈夫ではあるという安心感もあるね。
また時間は過ぎ成人式で、かつての映画作りのメンバーと再会。変わらない仲の良さで良かった。
そして最後、各自同窓会へ。将也と硝子は二人手を繋ぎ因縁の小学校の同窓会会場の扉を開こうとして終わった。

なんと心に染みる余韻だろうか。この二人が手を繋いで現れた所を見たクラスメイトたちの反応を見てみたいような、そうでないような。
ここまでの物語の集大成を描いた一コマだった。
途中ラブコメ展開になっていたがそれには最終回まったく触れずに終わっていて、読者がこのあとの二人を想像しろということだよね。
短い物語であったが、初速を殺さず無駄なく突き抜けるように中身の濃いまま最終回までやってきた作品だった。
気が重くなるあのギスギスした状態の人間関係から、よく再びこんな風にまとまることができたと思う。
かつてのいじめの加害者と被害者の親同士が仲良く酒を酌み交わしているシーンとか感動ものよ!

最初の方はいじめの加害者の将也の独りよがりな償いを快く思っていなかったが、焦点はそこじゃなかったんだな。みんな心に闇を抱えていて、この物語ではそれがたまたま主人公の将也視点で描かれていただけで。
文章力がないからうまく表現できないけど、人間関係は綺麗なものだけじゃないということは学んだ。人生波乱万丈だ。
不利な状況でも頑張ればベストまでは行かなくてもそれなりの結果は残せるのかもしれない。
個人的な評価★★★★★
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