西暦2061年。地球に接近するハレー彗星を見るために海岸までやってきていた「
半澤雷地」と友人「
治武」と姉「
由真」の三人。
そこで予定時間よりも早く彗星が接近し異様に輝いたと思った次の瞬間、辺りからは三人以外の見物人は消え、背後には舗装された道路ではなく、巨大キノコや謎の生物、不気味な植物が群生する森が広がっていた。


ちょっと近未来の話だけど、突然近未来というよりは…って感じの不気味な展開が待っていて、序盤から好奇心がうずく内容だった。
危険だと認識しつつも森の中へ入って行くとそこでは武装集団が人を殺していたり、その武装集団を巨大な怪物「グリンゴ」が襲ったりしていてさらにわけがわからない世界が広がっていた…

雷地たち三人は武装した男と協力してこの怪物と応戦しながら、男のアジトであるキャンプに向けて逃亡を開始した。
自分たちがやってきた海岸へ続く道を引き返してもそこにはもう海岸はなく崖であった。この絶望感はいい感じにスパイシーだね。
おっさんがかなりの深手を負うも主人公と協力して怪物を撃破。

なんとか一息ついたところで、おっさんはこの世界の現状について説明し始め、こんな世界になってしまった発端は数千年前、西暦2061年のハレー彗星衝突の夜にあるようだった。

つまり雷地たちは数千年後の未来にタイムスリップしてしまっていた。
ここまでのめり込んで読んでしまったが、漂流教室みたいなサバイバル系の話っぽいな!
この右も左もわからない情緒不安定になるSF展開が実に面白い!先が気になるわ。
姉と友人は別の武装集団に誘拐され、雷地は負傷したおっさんを担いでキャンプに向かった。ところがおっさんは途中で息途絶え、雷地はおっさんが居たキャンプの他のメンバーに捕まり拷問を受けるハメになってしまった…

いつにもましてあらすじ紹介色が強くなってしまったが、主人公の前に問題が山積みすぎて早くページをめくりたい欲にかられる作品だった。
グリンゴとは何者なのか、ハレー彗星が原因で何が起きたのか、なぜタイムスリップをしたのか、雷地たちはどう行動するのか、先行き不透明な展開にわくわくする物語だった。
個人的な評価★★★★☆
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