平和に生活していたのに突然、戦争をふっかけられ女子供関係なく民間人は虐殺され、その犠牲の元、命からがら逃げ延びた5人の魔女たちと、戦争に勝つために必要とされる謎だらけの男、テンマ。
前回までの戦いで、テンマの指揮の下、強力な近代兵器を持つ帝国軍に知略で挑むも、コマである魔女たちは平和ボケというか頭の中がお花畑というか甘さが抜けきれないところがあった。
だが今回、魔女たちからその甘さが次第に抜けて行き、戦う者になっていく成長が描かれていて、最後の方とか狂気がにじみ出ていて怖かった。
物語は前回の続きの人質に取られたナタを助けるための川岸の戦いからで、テンマの作戦ではなく魔女たちが自ら考えた作戦で敵に挑み奇襲に成功していて意外な展開だった。やればできるのかw
だけど助けられるナタの心は折れていて腑抜けたことを言っていた…
そんなナタにほおりが「どうせ死ぬなら盾になって死んで」とお願いしたのはこの残念系のキャラからしてみれば驚きの冷徹なセリフだった。

ただ、この国は人助けのためならという大義名分が付くと、命が軽くなる国民性らしくそれゆえの言葉かもしれない。そんな国民性すら利用することを考えるテンマもえげつない。

ほおりの言葉で火がついたのかナタは使い魔と共に敵群に特攻を仕掛けたw
使い魔に銃弾を浴びながら走り続けそのまま敵将にも辿りつき、最後の一撃は歯で喉に噛みつくという獣のような攻撃で少なくともヒロインの戦い方ではなかったw

それにナタの逃走時のエピソードは他の魔女同様にやっぱり壮絶だった。
ナタを守るために背中に銃弾を浴びても声を上げず、絶命してもナタの背中にしがみ付きずっと防弾チョッキとして活躍した11歳の少年がかっこよすぎる。

こんな背景があるのに一時的とはいえ戦意を喪失したナタの精神は貧弱だ…
川岸の戦いで勝利したテンマたちの次の敵はウイが慕っていたリュウコを殺した敵の相手だった。

魔女の死体も利用しようとする敵さんのえげつなさ、この作者ブレないな。
この姉の敵の登場にウイが本気でキレ、平和脳から戦闘脳に切り代わりあの平和な世界の魔女たちはどこへやらという感じの展開になった。この魔女たちの口から「殺す」なんて単語が出てくるなんて。
使い魔「モロク」との連携攻撃で格闘では敵将を欺くほどの成果も上げてみせた。

伊達に魔女じゃないというとこを見せつけてくれる戦闘描写だった。1巻では使い魔がいても雑魚じゃんと思っていた評価を改めなければならない。
ところが今のウイの状況は、セルを前にした悟飯のような状況でより苦しめて殺すためか殺せるタイミングで殺さず逆に足を切断されてしまいピンチに陥ってしまった。この辺は実践経験の差が着てるんだと思う。足の切断も斬るのではなくちぎるでグロだし…
このダメージで使い魔も出せなくなり詰みの状態になってしまった。
このピンチを助けてくれたのがズタボロになった死体のリュウコの使い魔だった…
最期の命令がウイを「守ること」だったためこの土壇場で死してなお発動したそうだ!

ネネの使い魔の能力で姉の死体から足を移植して同時に姉の使い魔も受け継いだし、バトル描写も感動演出もすばらしかった。
今度こそ敵に致命傷を与え、道連れにしようとする敵の行動をリュウコの死体が阻んだり、このウイの覚醒エピソードは少年誌らしく面白かったぁ。他の魔女たちの覚醒エピソードも期待できるな。
あとがきによると、この2巻までが旅立ち編らしく、3巻からはまた雰囲気が違ってくるのかな。
個人的な評価★★★★☆
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