吉木 まさかず
秋田書店 (2013-01-08)
バクマン。という主人公たちが漫画家になりアニメ化を目指す漫画があるけど、この漫画は同じく漫画家を目指すにしても、もっと泥臭く漫画家を目指す作品だった。
バクマンの主人公たちは恵まれた才能を持っていたけど、この漫画の主人公
一之瀬太陽は際立った才能もなく、何をやるにしても中途半端で漫画家になりたいという夢さえも恥ずかしいとさえ考えているようなタイプの人間だった。

そしてクラスメイトでたぶんヒロインの
姉崎流那は熱血漫画馬鹿でクラスメイトからドン引きされようとも、ずっと漫画を描いていた。

そしてひょんなことから太陽が漫画をだらだらと描いていることが姉崎にバレ、二人は漫画について意見を交わしたのだった。
太陽はもしも漫画家になれなかったらとか、好きなだけじゃなれないとか現実的で消極的なことを言ったのに対し、姉崎は太陽のようにこそこそ漫画を描いて時間を浪費せず、逃げも隠れもせずなんとしても漫画家になると前向きな考えを述べた。
漫画を人に見せることを恥ずかしがっているようじゃ駄目と言う姉崎は、太陽の冗談に応じてパンツさえ堂々と見せてくれた。

ややふざけたシーンだったけど、姉崎が真面目に熱血に漫画家を目指しているというのが伝わるねw
そして二人は雑誌の漫画賞をどちらが取るか勝負することになり、それぞれ漫画執筆に取り掛かった。
ここからそれぞれの漫画執筆シーンが比較されるように描かれていた。
3コマ描いて深夜12時を回ったから就寝する太陽に対し、姉崎は深夜3時まで栄養剤を飲みながら執筆。また、太陽は作画の重労働を舐めていた上に学校では漫画を描かないためさらに遅れ、姉崎は腕が痛くても包帯を巻きながら学校でも原稿を描いていた。
目指す先は同じだけど、やる気の差がありすぎて主人公がダメ人間に見える。たぶん大半の人がこうなんだろうが、姉崎のようなやる気を持っていてもそれでも漫画家で食べていける人は一部の人なんだろうな…

結局、太陽は満足のいく原稿を描けなかった。しかし素直な内容の漫画に姉崎は好感を抱き太陽を漫研に招待して、部長の同じく漫画馬鹿の
灰原冥士を紹介した。

灰原は漫画にインクがこぼれたらホワイトを使わず一から描き直すくらし漫画を愛していた。
姉崎と灰原という二人の熱血漫画馬鹿と交流し、漫画のキャラのセリフを使った会話を楽しんだりしているうちに主人公は漫研に入ることを決意し、部誌を配る=漫研だと暴露する道を選んだのだった。
現在まだまだ中途半端な太陽がこの二人に触発されながら今後成長していくのだろう。
バクマン。のような天才たちが活躍する華やかさはないけど、下の方からコツコツとひたむきに努力していく熱血な物語だった。
個人的な評価★★★★☆
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