天乃 咲哉
アスキー・メディアワークス (2012-11-27)
17歳にして引きこもりで3000万の借金がある主人公の
神埼イチルは、3000万の借金をチャラにしてもらうことを条件に、父親がカウンセラーをしている高校の一つ下の学年に潜入して父親の正体不明の隠し子、つまりは腹違いの妹を見つけるために転入をしてきた。
ダブってるという負い目も気にせずイチルは得意な心理学のテクニックと分析力を活かし隠し子の可能性がある少女3人に接触をはかっていくという物語だった。
イチルは少しヘタレぽいところもあったけど、実際にある心理学のテクニックを巧みに使って少女たちと次第に親密になっていく手際の良さが見事で、よくそんなところを観察しながら、よくそんなことを考えながら会話ができるものだと甚だ感心した。
最初に接触した候補の
藤堂飛鳥は学校ではだれにでも平等に親切な優等生で、誰も知らないプライベートでは実家の家計のためにバイトをがんばる苦労人だった。
そういう風に学校とプライベートを完全に分けている飛鳥と接触し、プライベートで家にお呼ばれして手料理をごちそうしてもらったり学校でも弁当を作ってきてもらったりしてもらうほどの仲になっていて、偶然の力もあったけど、弁当を作ってきてもらう技は日常でも使えそうだし勉強になった。

本編中に登場した心理学は巻末のおまけページでも解説されていて親切だったw
二人目はかつて「バレエの王子様」という舞台劇の主人公を演じていた
水城真魚。彼女は学校のファンの前ではついついキャラのようにクールになってしまうけど、本心ではそれを嫌がっていた。
で、真魚に接触したイチルはその立ち姿勢からも心理状態を分析して好感度を上げる方法を選び実行した。だが、真魚は演技のプロとしてイチルの演技をあっさり見抜き白熱の心理戦だった。バトル漫画じゃないのにバトル漫画だった。

ここまで色々な技を使い自分の思い通りに事を運んできたイチルの初めても失敗だった… しかも逆に手玉に取られ、取り乱していて手強い相手であった。
気を取り直して飛鳥とデートに行ったイチルはそこで着ぐるみショーを見て、その着ぐるみの中身が真魚だと見抜き、そこで起きたアクシデントに取り乱す真魚を素で勇気づけ何気にフラグを立てていた。

こいつは心理学の技が無くても十分女たらしだな…
心理学で籠絡した飛鳥に、今回の真魚。この中に妹がいるかもしれないのにだぞ。学校でも飛鳥と狭いロッカーに密着状態で隠れたりしてたしなぁ。
3人目の
立花彪はかなりの問題児で爆弾で建物を爆破とかテロ行為までやっていた。退学どころか豚箱に入ることになるレベルだった。
それゆえ接触すら困難で苦労していた。その八つ当たりか、教師を心理学の「ストックスピール」という誰にでも当てはまるセリフで相手の思い当たる点を突く技を使って脅迫していて面白かったw 飛鳥若干引いてたしw イチル性格悪いね。

あとから解説が入るけど、ページを戻して読み返すと確かに確信に触れることは言ってなくてよく考えられていると思った。
最後にやっと爆弾を仕掛けている最中の彪と接触することができた。初っ端から心理学の技を使って情報を引き出し始めたが、こいつとはどうフラグを立てるのだろうか気になるなあ。
フラグ立てても妹だしはたして物語はどういう展開になるのか今後が楽しみな1巻だった。
個人的な評価★★★★★
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