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マンガとかラノベ等の感想ブログ

マンガ、ライトノベル、アニメ等の感想を書いているブログです。漫画やラノベの発売日情報も載せています。

詩的なオムニバスストーリー完結「ワールドゲイズ クリップス」 4巻 感想 

ワールドゲイズ クリップス (4) (カドカワコミックス・エース)
五十嵐 藍
KADOKAWA/角川書店 (2015-09-04)
売り上げランキング: 1,796


ワールドゲイズ クリップス 最終4巻 感想です。

文学的で独特な世界観でお送りしてきたこの漫画も今回で完結。

それぞれの話、思いもよらぬ落ちだったり、思春期らしかったり、中二だったり、読み終わると思わず感心と満足の溜息が出るような物語だった。

お気に入りは片目に六芒星のコンタクトレンズを付けていれば悪魔が現れて願いを叶えてくれるエピソードで、その片目にボールぶつかって失明する代償に父と会話ができたという落ちが秀逸だった。大きな代償と小さな願いで悪魔らしいw

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ゴミ捨て場の通信機で見ず知らずの誰かとお互い素性を隠して交流するエピソードも良かった。主人公は匿名ゆえに自分語りが脚色されたものになってしまい、相手に見切られてしまうという悲しい物語。こんな素敵な交流は普通ないけど、こんな展開はありそうだなぁと思った。

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海で足を怪我して全裸のまま岩場で過ごすヒロインの話は脱力系なエピソードだった。避難しているヒロインを偶然クラスの男子生徒が見つけるが決してラブコメみたいな展開にならずダウナー系のまま物語は進むし、こんなブレないヒロインが面白かった。

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夜間徘徊したり放課後ピアノを弾いたりする少女の話は中二の詩だと思った。

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この将来悶絶しそな痛さに味があるエピソードだった。

人を選ぶ作品ではあったが、あまりないジャンルの漫画で気が付いたら集中して読んでいる。そんな作品だった。

個人的な評価
★★★★☆



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同じ場所に無関係な人同士で物語が繰り広げられる…!?「ワールドゲイズ クリップス」 3巻 感想 



この作品、実写映画化されるそうだ。案外実写には向いている方なのかな。最近妹が~よりは…


今回も独特の空気を醸し出していた。

最初の物語は、TVゲームのクリアを目指す男「ケイタ」とその彼女「ナツキ」、そして偶然知り合った少女「まお(仮名)」の三角関係な物語。

ケイタの意思が希薄かつ出会った少女が大胆で、ケイタの家に泊まり込み平気で全裸を見せつけたりオ○ニーをしたりしていた。

そんなときに彼女がやってくるから修羅場にw

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だが、こんな状況なのにそこまで険悪なムードになってないのは最近の若者だからだろうか。3人ともドライだった。

それに浮気は一歩手前で踏みとどまっていた。

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ケイタがゲームクリアに拘る理由は彼女のため自分が変わるためだったが、まおとの関わりで変わったという物語だったのかな。文学的な物語だった。


二つ目の物語は同じ街にいる様々な人が直接は関わらないけど、ピタゴラスイッチのように少しずつ影響し合うという話だった。

女性店員とナンパする中年おっさん。

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自称殺し屋で本物のナイフを持った幼女と仕事帰りのサラリーマン。

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教師と全裸で謎の儀式に励む女子生徒。

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これに最初の話のまおと神父さん、婦警さんや他数名を含めた登場人物たちが織りなすギミックが面白い物語だった。

女子生徒の儀式の場所、教師のメガネ、幼女のナイフ、ロープなどの場所や道具が別のペアの話で関わったり関わらなかったり、全部が全部関わっているわけじゃないから自然さを感じるし、内容も平和的に呑んでいる裏で修羅場だったりで、運命は面白いと思った。

ナンパおっさんと女性店員のオチは予想できたけど秀逸w しつこくナンパしたおっさんにはちょうどいい天罰。

あと儀式をする女子生徒は電波かと思ったら教師を誘ってくるビッチだった。

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軽い女キャラが多い作品だな。

個人的な評価
★★★★☆



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廃校寸前の高校で繰り広げられる青春オムニバスストーリー「ワールドゲイズ クリップス」2巻 感想 



2巻は廃校間近で3年生しかいない高校の文化祭をテーマにした短編集。

今回も「思春期のモヤモヤ」みたいなものを詩的に漫画化したような独特な世界感でクセになる読み味だった。


オムニバス形式だけど、誤って銅像を壊してしまった罰で文化祭の準備を取り仕切るよう教師に指示された少女「里未」は全編登場していて実質主人公だった。

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知り合ったばかりだけどもうすぐ転校してしまう友達「黒井」と二人だけがわかりあえる遊びや、退学した元クラスメイトとの交流などこれくらいの年代じゃないとできないんだろうなとやや身体がかゆくなりながらも楽しませてもらった。

日常の音を録音する遊びとか何が楽しいのかわからないけど、二人は楽しいんだろうな…w

あまり活動していない部活のたった二人の部員の話では、不思議ちゃんなヒロインに男部員がやれやれといった感じで接していたのに結局最後は襲っちゃうのもクールを装っていたということなのかなw

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里未と交流していた元クラスメイトの男子は別のヒロインとも交流していて、こういった別視点で物語が見えるのもいいね。このヒロインは面倒見のいい所もあれば小悪魔的なところもあったり、子供っぽいところもあったりで、個人的には里未より好きだ。

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そして文化祭当日はそれぞれの物語の主人公とヒロインのその後の交流描写があって、色々あっても世界は廻っているみたいな感想を抱いた。

里未と黒井のお別れのときも訪れ、さよならのキスをしていた… 百合か…

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季節は何周か巡り、里未は社会人となり黒井との思い出にふけっていた。廃校となり雑草蔓延る母校など桜の花びらの落ちるスピードを知りたくなるよな雰囲気だった…

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恥ずかしくも楽しかった二度と戻れない青春時代にいい意味で鬱になる物語だった。

個人的な評価
★★★★☆




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思春期の真っただ中の登場人物たちが送るオムニバス形式の青春物語!「ワールドゲイズ クリップス」1巻 感想 

ワールドゲイズ クリップス (1) (カドカワコミックスAエース)
五十嵐 藍
角川書店(角川グループパブリッシング) (2012-11-01)


1~3話で構成される短編漫画が計4作収録されていた。

どの作品も純文学のような独特の世界感を持っていて、短いながら不思議な読み応えがあった。

各物語の主人公たちはみんな青春真っただ中の高校生で、思春期特有のやるせない気持ちを具体的な行動に移していて、若さを感じた。どれもしめっぽい雰囲気のほろ苦い青春物語だった。

個別感想

・放課後ロスト

家庭に問題があって万引きなどもやっちゃってしまっているクラス委員長と学校サボり気味のクラスメイトの女の友情を描いたちょっぴり百合っぽい物語だった。

一緒に妙な夢を見たり、1日だけ家出して楽しげな日を送ったりはしたが、際立って特別なことはない普通の日常ものだったが、二人の性格が冷めていたため、たまに見せる笑顔からは幸せオーラを感じた。

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あとデレる委員長は可愛かった。

・ウォーキング ウィ ズ アフレンド

心の隙間を埋めるために何かやらなくちゃと思ったヒロインが主人公を誘って、道に横たわっていたカラスの死体を山に捨てに行くという物語だった。

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何かやらなくちゃという年頃の男女が抱く焦りが上手く描かれていたのも良かったし、親しい友達という恋人でもただの友達でもないような微妙な距離感も絶妙で面白かった。

二人の会話だとか、山小屋で薄着なヒロインと一緒にいても何のコメントもない主人公とか、リアルな感じで男の心の声が聞きたくなる内容だった。

カラスを無事埋葬した後は、なぜかヒロインが川で全裸になっていて男も女も羞恥心がなく仲がいいなと思ったw

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特にヒロインはなぜこうも羞恥心が無かったのだろう…w

・緑雨

彼女はいるけど幼少の頃遊んだ少女のことが忘れられず、その少女そっくりな少女を偶然見かけてしまいさらに気になってしまうというもはがゆい物語だった。

主人公の思い出の中の少女は清楚な子で幼少のころよく遊んだそうだが、出会ったそっくりな少女は暇つぶし怪しいバイトをするほど自分への愛がなくややすれていた。

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この主人公の思い出の少女とヒロインは見た目以外は正反対だったが、主人公は交流を深めて行くにつれ脳内妄想が広がり、実際にいない少女に話しかけたりしていて怖かった。

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最初まともな人格を持った主人公だったのに、少しずつ幻覚を見ておかしくなっていく様も怖かった。

実際はこの少女が思い出の少女だったが、遊んだのも1日でかつて笑顔でもなかったという、主人公が思い出補正で美化しまくっていたというオチだった。

思い出補正怖いね。理想と現実のギャップは精神的に辛いだろう。

・blue imaginary birds

ラストにして少し明るめなエピソードだった。別れた彼氏と寄りを戻すために幸せの青い鳥を捕まえようとする話で、甘酸っぱい方の青春を謳歌していた。

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オチも前向きでメッセージ性を感じた。

読み終わって裏表紙を見たら、「曖昧な青春オムニバス」とあって言い得て妙だった。読んでるとこっちもやるせない気持ちになってくるんだよね。

このやるせなさがクセになる作品だった。

個人的な評価
★★★★☆



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管理人:じゃいろぺりん
自己紹介:好きな漫画は ジョジョの奇妙な冒険 や よつばと!、デスノート など。欲しいものは文章力。

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