架神 恭介 辰巳 一世 ミサオ
スクウェア・エニックス (2013-06-25)
今回も1巻に引き続き、やけに増せた嫌な小学生たちの本音と建前が垣間見える君主の座を賭けた醜い争いが繰り広げられた。
君主にはいろんなタイプがいるけど、数で勝る平民が数の少ない有力者に勝って君主なるというのは数の暴力というものを如実に表わしていて興味深かった。

が、それを成し遂げた
かえでちゃんの行動原理がひろしくんへの恋心で心強いような怖いようなだったw
あと小学生ならではだなと思ったがのが学級委員というポジションで、先生からの評価も得られ、司会役などで定期的に支持率を上げられるというメリットが高いポジションだった。それに加えテストの成績も小学生にとっては重要なステータスで、こんな小学生らしいことで争ってるのに内容はドロドロしていて少なくとも、この
まなぶくんは支持したくないと思えたw

学校行事のドッジボール大会のチーム決めは好きな人と組んでいいことになったが、ここで我らがひろしくんとラスボスりょうこちゃんの直接対決が勃発した。
りょうこちゃんは突然ひろしくんチームに自分の右腕で騎士のように守るかおるくんを入れて上げてと申し出てきた。かおるくんはスポーツ万能でチーム内ではかなりの活躍を期待できるにも関わらず。
このやり取りが本当に面白かった。
表向きの理由と裏の理由とさらにその奥にある真の目的が深くて、表向きの言葉で交わされる会話と心理戦が大人でもゾッとするとても小学生同士の会話とは思えないものになっていた。

俺の知ってる小学校じゃないしw
そして体調不良と偽り籠城を決め込んだひろしくんたちが作っている秘密基地を破壊するなど強硬手段を取ってきたりょうこちゃんたちのやり方はえげつなかった。小学生どころか人のすることじゃねぇっ!
いざ本番のドッジボール大会はひろしくんチームがこの恨みで士気が上がり上位にランクインするなど大健闘。そしてりょうこちゃんやかおるくんのチームは決勝で体力だけはずば抜けているりょうくんチームとの戦いになったが、ギャグと知略が入り乱れた白熱の戦いになった。
まず、りょうくん巨大化しすぎw

かおるくんボールにヒットして吹っ飛んで壁が砕けるとか、テニスじゃあるまいしwww

だけどかおるくんの敗北はりょうこちゃんチームの作戦で、負けたかおるくんをあえて罵り仲間割れを公然とアピールし、その後りょうくんチームに潜ませた裏切りものの力でりょうくんを取り押さえる。
このりょうくんチームの裏切りをりょうくんに見せることでかおるくんとの仲間割れも本物と信じ込ませ外野からりょうくんをヒット!
力で圧倒的に勝る相手を作戦で勝つという所謂ジャイアントキリングだった。
それにりょうこちゃんはりょうくんに勝つための鍛錬をしていて、服が破れて全裸になってもボールをキャッチしてそのまま皆が見てる中、全裸で戦い抜いて見事であった。

“ハイエナりょうこ”とは呼ばれているけど、りょうこも十分君主の器だと思った。
こうしてドッジボール大会が終わるまでは素晴らしかったが…
なぜかその後モヒカン蔓延る世紀末状態となり、作品のジャンルが変わったまるで打ち切りエンドのような雑な展開になってしまった…

そして打ち切りの常套句のような言葉で完結!
どうしてこうなった…
最終話でけが浮いている。この最終話で解説役の梟が食べられ、女の子が生きたまま身体を引きちぎられ殺されるなど無駄に惨い演出があったし…
それ以外は100点以上の評価を上げてもいいくらいすばらしい作品だったのにどうしてだ!
最終話だけが遺憾だけど、それ以外は本当に面白く君主論というものを楽しめる作品だった。
個人的な評価★★★★☆
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