日辻ハコ かじいたかし
ホビージャパン (2012-06-27)
原作小説が気になってたからコミカライズ版を買ってみたけど、ひどい設定の物語だね←ほめことば☆
時代は23世紀。日本は漢字が使われなくなりひらがなカタカナばかりになり、さらに総理大臣は二次元キャラが就任していた。総理大臣が二次元でも今の総理大臣よりはいいと思うけど、日本は萌えが完全に市民権を得ていたのだった。
23世紀の文学作品もかなりひどいもので、ラノベや携帯小説よりも小説らしくないものが清純派文学として浸透していた。主人公
ギンの妹
クロハは漢字が読めるが、妹が読んでいた携帯小説でさえ難しい文学作品として扱われていた。
作家を目指しているギンはクロハともう一人の妹
ミルと共に、超大物作家の
オオダイラ・ガイの家を訪ねていた。大物作家だけど23世紀だから妹萌えで作品にはパンチラが登場する変態作家だった…
4人が歓談していると物語的にも展開的にも突然タイムスリップをして21世紀の現代にやってきてしまった。しかもジジイだったオオダライは幼女化してしまっていた。性別も年齢も変わるとか新しいw しかし中身が変態ジジイだからまったく萌えないw
そこでは23世紀の未来における文学賞であるフォミュラ賞のホミュラという文学上の人物にそっくりな少女がいた。
日本では誰もが知ってるとされる「おにいちゃんのあかちゃんうみたい」のヒロインらしいが、これが未来では今でいる芥川賞や直木賞と同列と考えるとおぞましいね…
なぜタイムスリップしたかわからないままフォミュラにそっくりな少女
柚の屋敷にしばらくお世話になることになった4人だが、柚の亡くなったと思われる兄の希望だった、萌え文化を広めることを手伝うことになった。

故人だけど言わせてもらうが、こいつもひどい兄だなw
そこで21世紀の学校に転入し、萌えを広めることにした。具体的には柚がクロハの兄に対しての内なる気持ちを元にラノベにして校内の文芸誌に載せようとした。ところが
頭の固い至極当然の考え方を持つ文芸部の部長に却下されてしまった。
パンチラとか萌えとか否定するのはわからんでもないが、義妹であるクロハの兄への気持ちを否定するのはちょっと可愛そうだったかな…
作戦は失敗したが、突然タイムスリップしてきたときと同様戻るのも突然で柚とギンたち4人は別れを惜しむ時間もほとんどなく23世紀に戻ってしまった。
萌え文化を広めることに失敗したと思われていたが、未来で「おにいちゃんのあかちゃんうみたい」の作者のことを調べてみると、どうやら柚が書いたラノベにかなり影響されて「おにあか」が書かれそれが23世紀の萌え社会の基礎を築いたようだった。つまり大成功していた。
こんな未来になってしまって大成功と言えるのか微妙な気もするけどw
物語には所々にさし込むようにまともな考え方を持つ謎の人物の手記なような文章が書かれていた。この著者はどうやら過去から未来にタイムスリップし23世紀の文学に絶望しているようだった。こいつの正体は終始気になった。

そしてホミュラ賞候補作品の中で唯一まともな『うすび』という作品の作者も、私、気になります!
混沌とした内容で、設定の勝利と言える作品であった。
個人的な評価★★★☆☆
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