支倉凍砂
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス (2016-09-10)
売り上げランキング: 18
狼と更新料 18巻 Spring Log 感想です。
よもや新刊が出るとは思わなかった。嬉しい誤算。
さてナンバリングされたこの18巻は短編&中編が収録されたホロとロレンスの幸せな日常を描いた物語。
行商の旅を終え、ヨイツからほど近いニョッヒラの町でついに自分の店を持ったロレンス。「狼と香辛料」亭という名の湯屋の主人となって落ち着いた生活を手に入れていた。
17巻の時間から十数年。未だにホロとロレンスは胸やけしそうなくらいイチャラブで、ミューリという狼の耳と尻尾を持つ一人娘にも恵まれていた。
ロレンスは親馬鹿になっていて、ミューリとコルが駆け落ちしたことを頑なに認めなかったり変わったなぁと感じた。
行商の旅では様々な大きな思惑にホロとロレンスが巻き込まれ、二人の知恵と勇気と機転でそれを金銭に変えてきた。
湯屋の主人となった今回の物語でもかつての二人の名コンビを思い出す機転やアイデア力で様々な問題を解決するところが面白かった。ちゃんと狼と香辛料だった。
特に別の若い狼の化身がホロとロレンスに助けを求めにやってくる中編は読みごたえ抜群。
ある出来事をきっかけに発生した、教会やニョッヒラ、ニョッヒラの物資補給の生命線であるスヴェルネル、商会、若い狼たち、自分の店などあらゆる方向で角が立ちまくりな事件を解決に導いたやり方はどうしてそんな手を思いつくのか感心する手腕だった。
ロレンスは老いてもなお健在な頭の回転の速さは健在だった。
ミューリはコルと駆け落ち中のため物語には名前くらいしか登場しなかったが、短編にはコルとの一幕が描かれていた。
ミューリは二人の娘だけあって頭が良く、ホロの雰囲気に似ているが魔性で、あの男の子は自分を好いているから大丈夫だとか言ったり行く末が怖かった。ホロと違って落ち着きがなく、やんちゃで生傷が耐えないのも不安になる子だった。
そんな二人の物語は新説の方で描かれているからこれから読む予定。
狼と香辛料はあと1冊は新刊が出るらしくそれも期待しよう。
個人的な評価★★★★☆
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