山口 ミコト
スクウェア・エニックス (2012-05-22)
タイトル&表紙買いしたが、かなりインパクトのある物語だった。しかもジャンルは意外にもホラーだった。
主人公の
村井雅彦(16)は社会のクズを見下しながらも、自分は幼馴染みの遥のパンツの臭いを嗅ぎながら部屋には写真をたくさん貼るような、変態だった。

そして学校ではイジメの対象となりちょっとしたことで土下座させられ、さらに頭を上履きで踏まれたりしていた。イジメに関しては確かに同情するし、主人公は悪くないと思うが、こいつは自分よりさらに悪い扱いを受けているクラスメイトの山田が最低辺だと見下し浮かれていた。山田も不潔にしていて問題もあるが、イジメられてるからって、他の人を見下して悦に浸るとか最低だ。

しかしある日山田に美人で巨乳な彼女ができて、最低辺の地位を脱却しそうになってしまった。そこで村井は自分が今度は最低辺になることを恐れ、携帯に保存していた幼馴染みの遥と遠距恋愛していると嘘をついた。
卑しいやつだと思うがこれでなんとか現状維持には成功した。ところがその翌日クラスにその遥が転校してきたw

これでピンチになるのかと思ったら、遥は最初の自己紹介で村井と付き合っていると村井の嘘に乗ってくれたのだった!
この自己紹介でのエピソードだけでないが、ベタな展開になると思ったらその予想をことごとく裏切ってくれる構成になっていて、本当に最後の最後まで気が抜けなかった。最後の最後とは予告も含めていて、予告でネタバレするなとまで思った。
村井の嘘に乗ってくれた遥と放課後一緒に帰り喫茶店に寄ったが、ここでは主人公の頭が回っていてほんの少しだがかっこよかった。
簡単に言うとカマを何重にもかけて遥の正体を暴いたのだった。このときの主人公のカマの掛け方が念入りですごく面白かった。止めとしては遥は既に死んでいて、村井の持っていた写真は幼少期の写真を加工して作ったものだった。死んでもストーカーとか迷惑すぎだろw
この遥は加工写真に似過ぎている謎の偽物だと判明したが、村井はこいつに対して土下座してまで付き合ってくれと頼んだのだったw こんなオカルトな相手に土下座までするのかよと呆れたぞ。
土下座された遥は本性を露わにしてドSキャラになった。しかもというか当然とういうか遥は人間ではないようだった。

これにより、何でも言うことを聞くという条件の元、彼女になってくれることになった。これでクラスでの地位を得た村井だが、ある日山田から電話がかかってきて、これから彼女と行為に及ぶから電話を切らずにいろと言ってきた。主人公の内心嫉妬してる様がしっかり出ていて面白かったw 山田も山田で変態だしw
もちろん、期待を裏切るこの漫画はこれでうらやまエンドにはならず、電話は山田の壮絶な叫び声で切れた。翌日学校で山田に会うと、綺麗なジャイアンのように山田が綺麗になり遥とも友達になっていた。

山田の異変から空気はホラーになり、遥もどんどんホラー的な意味で怖くなってきた。遥からの指令は持ち前の鼻の良さで最低辺の人間を自分に紹介しろというものだった。
村井は携帯の掲示板に遥のプロフィールを書き最低辺の男を釣って遥に会わせた。翌日遥からその男の話を聞いたが、同時にニュースでもその男が死んだという事件が放送されていた…
遥は村井に食用の最低辺の人間を献上させるようだ。
さて、目的は何だろう。遥が妖怪かエイリアンかでただ単に社会から消えても誰も困らないような最低辺の人間を目立たないよう食べてるとかかな。それでシャナで言うところのトーチ代わりに綺麗な人間を出すとか?まぁ、現段階ではさっぱりだね。
最初の男は不評だったため、遥はさっそく次の生贄を要求してきた。遥が目を付けたのは女子の最低辺の佐藤さんだった。
佐藤さんは偶然にも村井と同じくらい鼻が良く、山田や遥が別人であることに感づいていた。そしてその特殊な趣味から村井とも意気投合し、村井にとっての友達となった。

いい雰囲気だしこのまま交流を重ねていけば、きっと本物の彼女もできるだろうと思った。
しかし村井は、葛藤しながらも遥に脅され友情を踏みにじり佐藤さんを生贄に捧げた…

主人公最低すぎて言葉もない。佐藤さんは生きたままグチャグチャと食べられてしまった。今回は遥ではなく、おそらく山田を食べた奴に。そして綺麗な佐藤さんが登場した…
主人公も誰かを生贄に捧げなければ最低辺である自分が今度は食べられてしまうというプレッシャーは分かるが、あまりにひどい。性悪説だな。
次に登場したクズは主人公の父親だった。こいつは分かりやすいクズで暴力も振るうし、こいつのせいで母親は自殺したそうだ。こんな父親いるならいい反面教師になってもおかしくないだろうに…

あと本物の遥を殺したのもこの親父のようだった。幼女だった遥はなぜ殺されたのだろう。幼女が襲われる理由はあまり思い浮かばないけど。このとき主人公はその現場にいて幼くして見ないフリをするという最低なことをしていた。このときはまだ父親に情があったのだろうか。あのときその現場を抑えていたら助けられたかもしれないのにね。まぁクズだ。
こんな親父が登場したところで、今回の生贄はもちろん父親w
親父を生贄にささげるここからのミスリードとトリックは最後の最後だけあって、一番すごかった!主人公も少年誌の主人公みたいに輝いていた。
親父を睡眠薬で眠らせ遥に差出し食させるが、親父には長期間毒を飲ませていて、親父自体を毒の塊にしてそれを食べた遥を間接的に毒殺させようとした。

やってることは決して褒められる事ではないが、ここだけは輝いていたぞw
まんまと罠にはまって身動きのとれなくなった遥は村井にバットで攻撃された。
ところがまだまだこの物語は裏切ってくれて、人間でない遥には毒は通じず、逆に反撃され手足を潰され食べらてしまった…
最後の見開き怖すぎ!別の漫画かと思った…

最後のモノローグで村井雅彦は死んだとあったが、次回予告ネタバレすぎだぞ!
だいたい予想が付くだろうが!でも、これも今回同様いい意味で期待を裏切ってくれるかもしれないから期待せざるを得ないなw
個人的な評価★★★★★
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