残念ながらこの漫画は打ち切りになってしまい、この4巻で完結だった。面白かったのに残念に思う。
しかし物語は綺麗にまとまっていて、いい最終回を迎えた!
最終巻となる4巻は「アム」の裏設定として「理性の糸」を切ることで5分間人を操るという能力を持っていた。クールなフーコ先輩が考えるとは思えないぶっとんだ設定でギャップに萌えた。操られたユーリはまたフーコ先輩に全裸を見られていたw
そしてやり残したかのようにあった水着回はこういうラブコメには必ずあるなぁ思いながら読んでいたら主人公の成長が伺えるちょっと感動的な話だった。

文芸部のみんなで海に合宿にやってきたミチルは、そこで中学時代のいじめっこDQNに遭遇し絡まれた。そしてミチルは当時のトラウマが蘇り縮こまっていた。

そんなとき助けてくれたのがミチルとフーコ先輩で、その後も文芸分の仲間たちがDQNたちに立ち向かいよかった。

中学時代はぼっちだったユーリだが、今は立派に仲間とも呼べるハーレムを築いていて温かな話だった。
合宿場のあるかつてユーリが住んでいた街にはイジメられた後よく泣いていた公園があった。そこでユーリが思いだしたように木の根元に埋めていたミチルの設定ノートを掘り出した。中学時代のユーリが確かに埋めたものだったが、その内容を確認する前にそれは飛んでいきミチルと融合してしまった。
わざわざ埋めてあったくらいだから目からビーム以上に怪しげなことが書いてあることは容易に想像できる…
吸収された後もミチルはユーリやフーコ、そしてアムと一緒に楽しく過ごしていたが、ある日突然姿を消してしまった。ミチルがいなくなった原因は埋められていた設定ノートにあるのではとフーコに言われかつてのアルバムからその内容が明らかになった。
それは「ミチルが世界を滅ぼしてくれる」という恐ろしい内容だった…

そして“実現力”のせいで地球には隕石が向かっていて人類は本当に滅亡カウントダウン状態になってしまった。ミチルは自分でこのことを悟り自ら存在を抹消しようとして姿を消していたのだった。
ミチルの最期に付き添おうとするアムの案外いい子だった。
ユーリはミチルを神社で発見し、人類を救うために作者自らの手で神社を燃やしユーリを消すことを決意した。失敗作ならまだしも、気に入っているものを作者自らが破壊しなければならないなんて残酷だね。
実際ユーリは火をつけることはできなかった。そこでミチルはユーリにキスをしお礼を言って目からビームを発射した。

この設定がこんなシリアスな場面で使われるなんて思わなかった。
こうしてミチルは消滅し、フーコ先輩もアムとの最期の別れをしていた。お別れのシーンは多くページを割いて丁寧に描かれていて感動した!
部屋にミチルが居た余韻が残っているのもなんだか悲しい。
1ヵ月経ってもミチルの消失からまだ立ち直れていないユーリだったが、自分の指にできたペンダコを見て文芸部の皆に協力してもらい漫画を描いた。それがこの漫画だったw

ユーリは「作品の中でキャラは生き続ける」と創作者として立派なことを言っていた。オチとしても悪くなかった。
これで終わりなのはやっぱり残念だが、次回作も期待したい。非常に面白い作品だった。
いい感じで物語は幕を引いたが、おまけマンガは作者がミチルやフーコ先輩に干渉してえっちなコスプレをさせるという雰囲気を壊すような内容だった。まぁこれもちょっと痛かったけど面白かった。
あとがきを含め作者が漫画を描くの好きということはすごく伝わってきた。
個人的な評価★★★★★
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