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BTOOOM! 26巻 Light友情編 Dark真実編 感想です。
物語は坂本が織田の説得を試みるLight友情編と織田の決闘の申し出に乗り死闘を臨むDark真実編に分かれてそれぞれ完結。
二つの26巻まとめてレビューしようと思う。
友情編、真実編、織田の説得をするしないに関わらず織田は戦闘を臨み坂本との最終決戦は勃発してしまった。
最後の戦いだけあって終盤は爆弾ではなく拳で勝負する場面もあり、野生のバトルであった。

違いは坂本の戦闘のスタンスの違い説得しようとするか仕留めようとするか。
友情編では織田との闘いで仲間たちが言葉がなくても意図が伝わる阿吽の呼吸で織田を生かしたまま無力化したところが見どころだった。

これが友情編の由来なんじゃないかと思う。
散々ヘイトを溜めてきたドローンで戦争した気分になってイキっていた少女は飛行機が墜落し特殊部隊との直接戦闘になって初めて心が折れ戦争を実感したのがよかった。

予定通りの坂本たちは大勝利して黒幕の総帥は大激怒。

こいつが生存してしまうのもLightな要素だろうかね。
でも鷹嘴は気持ち悪いおじさんに売られてしまうようで、それを慰めにするしかないようだ。
ヒミコと坂本の結婚はめでたいね。ヒミコはまだ16歳だしw

こうしてLight友情編は黒幕こそ倒せなかったが、最低限の身の回りの平和だけは守れたという展開だった。
さてDark真実編はその反対。死が物語を彩るこの作品の黒い部分を煮詰めたような展開だった。
かつて友人だった坂本と織田が互いに敵対したまま結末を迎える救いの無さw
だが、この二人以外は安定していて、サイコパスだった吉良が命をかけて人質に取られていた上杉と輝夜を助けたのは良かった。これが本当の吉良のエンディングだろう。

坂本と織田の戦いは友情編と違って命の奪い合い。友情編では仲間たちのおかげで織田を無力化できたが、真実編では仲間たちを守るために坂本が織田と相討ちを選ぶ展開となっていた…

この対極となるクライマックスシーンも酷な物語だった。
そしてここまで皆を霊的な力で守ってきた輝夜様も、最後の最後のこの場面では守り切れずまさかの死亡。

最後の神頼みまで死亡という形で終わり、無情。
そして真実とはヒミコが黒幕の総帥の娘だっということ。妾の子はたくさんいるが優秀な子は引き抜いて正式なファミリーとして迎えているそうだ。

しかし当然愛する坂本を死なせた黒幕の申し出なんてお断り。憎悪の感情が消えないヒミコは隠し持っていた烈火ガス式のBIMを披露!

最後の武器はこれまで色々BIMとたわわむれてきたおっぱいだった!跳ね返したり、乗せられたりしたのが懐かしい。最後は挟んで使用。
ヒミコは護衛にハチの巣にされるが、BIMは起動し世界の黒幕は悲惨な末路を迎えたのだった。

世界最悪の黒幕を倒したヒミコは一命と取り留め、他の僅かな生き残りたちと世界の立て直しをすることを誓っていた。坂本が救ってくれた命を大切に使って…

こんな感じでこちらは世界は救えたけど、身の回りの平和は保てなかったという結末。
友情編もすべてがハッピーエンドというわけではなく、真実編もすべてがバッドエンドというわけではない。シュタインズ・ゲート世界戦が欲しい物語だった。
マンガでこんな結末の描き方をしたのはとても面白い試みで、どちらも我慢してなくとても濃く読み応えるのある物語に仕上がっていた。
ゲームの最強プレイヤーの坂本が無双をしながらも、それでも苦戦する敵と対峙して都度成長してまた無双する。最初は引きこもりだったが、最後はみごとヒーローとなり面白い物語だった。
まだスピンオフシリーズがあるらしいからそちらも期待せずにはいられない。
個人的な評価★★★★☆
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